本記事では、1930年代から2020年代に公開された洋画の「戦争映画」についてご紹介いたします。
視聴可能な動画配信サービスは、窓口となる2か所のWebサイトのリンクを掲載しています。
記述内容は公開年の古い順番に行っており、ランキングとは関係ありません。
本記事では、1960年代から2020年代に公開された洋画の「アクション・パニック」映画についてご紹介いたします。視聴可能な動画配信サービスは、窓口となる2か所のWebサイトのリンクを掲載しています。内容のご紹介は、公開年の古い順番に行って[…]
更新履歴2022年12月17日 ジャンル別に改編のため記述内容を全面修正 本記事では、1930年代から2020年代に公開された洋画の、ドラマ映画についてご紹介いたします。 古典的な洋画も出てきますが、いくら時代を経ても良い作[…]
西部戦線異状なし 【1930年】

原作は、小説の「凱旋門」でなじみが深いエーリヒ・マリア・レマルク作「All Quiet on the Western Front:西部戦線異状なし」で当時ベストセラーになった反戦小説です。
西部戦線というのは、第一次世界大戦時の、ベルギーからフランスにかけての最前線で、ドイツとヨーロッパ連合国が血みどろの戦いを行った場所です。
映画を鑑賞するとよくわかりますが、この地での戦いは塹壕戦がメインで、時には毒ガスを使用するようなむごい戦いをしています。
全編モノクロ作品ですが、娯楽性よりテーマを重視した戦争映画です。
アメリカ映画としては地味な作品ですが、内容はドイツ軍の兵士の視点を中心に描かれており、ちょっと珍しい演出です。
なお、第一次世界大戦は1914年勃発1918年休戦。
上映時間:136分
監督 :ルイス・マイルストン
出演者 :リュー・エアーズ
ウィリアム・ベイクウェル
Awards
第3回(1930年) アカデミー賞 作品賞、監督賞受賞
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アラビアのロレンス 【1962年】

原作はトマス・エドワード・ロレンス自伝書「知恵の七柱」で、時代背景は第一次世界大戦下のアラビア半島。
アラブ民族の、オスマン帝国(現トルコ)からの独立戦争を描いた戦争スペクタクル映画です。
この作品の注目は景色が美しく、特に砂漠の描写は圧倒的で思わず見とれてしまいます。出演俳優も当時の渋い演技派ばかりでその点も見どころです。
イギリス陸軍のロレンス少尉はアラブ民族の情勢を探るために、アラブ側の指揮官のもとに旅立った。
上映時間:207分
監督 :デヴィッド・リーン
出演者 :ピーター・オトゥール
アレック・ギネス
アンソニー・クイン
オマー・シャリフ
Awards
第35回(1963年)アカデミー賞 作品賞はじめ7部門受賞
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地獄の黙示録 【1979年】

原作は1902年に出版されたイギリスの小説家、ジョセフ・コンラッドの「闇の奥」
アフリカのコンゴを舞台とした小説ですが、本作ではベトナム戦争を背景としています。
私はこの映画を少なくとも5回は鑑賞していますが、いまだにテーマについて理解できていません。
単純な戦争映画ではなく、ヒューマンドラマのジャンルではないかと思うくらいです。
戦争の狂気を表しているのか、あるいはベトナム戦争を批判する反戦映画であるのか。人により様々なとらえ方ができる作品であると思います。
興行的には成功で世界中で大ヒットしましたが、作品の評価ははっきりと賛否が分かれています。
主人公ウィラード大尉役マーティン・シーンの代表作品になりました。
ウィラード大尉はアメリカ軍の命令により、同じアメリカ軍の元グリーンベレー指揮官カーツ大佐を暗殺するため、ベトナムの大河を遡上する。その間に起こる数々の出来事で、本人も不安と恐れで身体的にバランスを崩してゆく。
上映時間:153分
監督 :フランシス・フォード・コッポラ
出演者 :マーロン・ブランド
マーティン・シーン
ロバート・デュバル
デニス・ホッパー
Awards
第52回(1980年)アカデミー賞 撮影賞、音響賞受賞
その他作品賞など8部門ノミネート
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キリング・フィールド 【1984年】

この戦争映画については、なじみのない方が大多数ではないでしょうか。
しかし、カンボジア内戦を舞台にした見どころたっぷり、得るところも非常に多い作品です。
原作はニューヨークタイムズの記者シドニー・シャンバーグの、カンボジア内戦取材に基づく実話です。彼はこの記録により、ピューリッツァー賞を受賞しています。
1970年にベトナム戦争に巻き込まれる形で始まったカンボジア内戦の真実や、北ベトナム軍の侵攻による混乱の様子を緊張感をもって伝えています。
伝えられていないカンボジア内戦やベトナム戦争の有り様がよく理解でき、隠れた名作と言えます。
この作品でカンボジア人の助手を演じたハイン・S・ニョールは、演劇については全くの素人でお医者さんだったそうです。しかし、本作品でアカデミー助演男優賞を受賞しています。
上映時間:141分
監督 :ローランド・ジョフィ
出演者 :サム・ウォーターストン
ハイン・S・ニョール
Awards
第57回(1985年)アカデミー賞 助演男優賞、撮影賞、編集賞受賞
作品賞など4部門ノミネート
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プラトーン 【1986年】

私は、国のために戦って戦死した人々を冒涜しますので、無駄な戦争という言葉を使わないようにしています。
しかし、この映画を鑑賞するたびに思うのが、ベトナム戦争っていったい何であったのか? アメリカ合衆国にとって必要な戦だったのか。ということです。
ベトコンとの戦いに明け暮れる最前線では、小隊内ではびこる憎悪や暴力あるいは麻薬、最後は味方同士の殺し合いなど人間性を喪失していく。
監督オリバー・ストーンが自らの体験を基に描いた自伝的作品で、彼にとって3本目のベトナム戦争映画です。
戦争映画としては異質ですが、作品に対する批評家からの評価は非常に高いものです。
若かりし頃のジョニー・デップが、セリフ無しのチョイ役で出演しています。目を凝らして見つけてください。
タイトルの「Platoon」は軍隊の組織編成単位である、40名程度の小隊のことをいいます。 10名程度の分隊は「Squad」です。
上映時間:120分
監督 :オリバー・ストーン
出演者 :チャーリー・シーン
ウィレム・デフォー
トム・べレンジャー
フォレスト・ウィテカー
ジョニー・デップ
Awards
第59回(1987年)アカデミー賞 作品賞、監督賞、録音賞、編集賞受賞
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フルメタル・ジャケット 【1987年】

上述の「プラトーン」と同じ、ベトナム戦争の狂気を題材にした作品です。
メガホンをとったのは、「2001年宇宙の旅」や「時計仕掛けのオレンジ」など、芸術性の高い作品を作り上げた「スタンリー・キューブリック」
作品の前半は海兵隊新兵のしごき訓練シーン、後半は戦闘シーンとはっきり分かれていますが、前半の訓練シーンにおける指導教官の凄まじいばかりの悪口雑言には、耳をふさぎたくなるほどです。
もっとも、元海兵隊の教官が実際に演技しているのですから、迫力が満ちあふれていることは頷けます。
後半のベトナムでの戦闘シーンでは、兵隊の死をリアル感たっぷりに描いています。
タイトルの「フルメタル・ジャケット」は、鉛の弾体を銅などの金属で覆った「完全被甲弾」を指します。
要するに戦争で使う通常の軍用弾丸のことを言います。
上映時間:116分
監督 :スタンリー・キューブリック
出演者 :マシュー・モディーン
ヴィンセント・ドノフリオ
R・リー・アーメイ
Awards
第60回(1988年) アカデミー賞 脚色賞受賞
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プライベート・ライアン 【1998年】

第二次世界大戦下の激戦地となった、フランス ノルマンディー上陸作戦から物語はスタートします。
冒頭ノルマンディー上陸作戦の攻防に関わる描写は圧巻で、この先の展開はどうなるのかという期待感を抱かせます。
上陸作戦における激戦を生き延びた主人公ミラー大尉に下った命令は、ライアン二等兵を救出して連れ戻せとのことであった。それにはある理由があったのだ。
ライアン二等兵役は若いころのマット・ディモンが演じていますが、とても新鮮な若者らしさがあります。
原題の「Saving Private Ryan」は「ライアン二等兵を救出せよ。ライアン二等兵の救出」の意味です。
Privateは「私的な、民間の」という意味もありますが、本作品では兵隊、兵卒、二等兵という意味でとらえればよいかと思います。
上映時間:170分
監督 :スティーヴン・スピルバーグ
出演者 :トム・ハンクス
エドワード・バーンズ
マット・ディモン
Awards
第71回(1999年) アカデミー賞 作品賞、撮影賞、編集賞、音響賞、音響効果賞受賞
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ブラックホーク・ダウン 【2001年】

1993年に東アフリカのソマリアで起こったゲリラとの戦いを描いた作品です。
「グラディエーター」や「ハンニバル」、「オデッセイ」など多数のヒット作でメガホンをとった、リドリー・スコット監督が本作でも監督を務めています。
ソマリアの首都モガディシュにおける米軍と民兵の戦闘シーンがメインですが、これが本当に凄い。他を寄せ付けないような迫力と緊迫感に圧倒されました。
タイトルの「ブラックホーク・ダウン」は、米軍のヘリコプターが墜落する様を指しています。
上映時間:145分
監督 :リドリー・スコット
出演者 :ジョシュ・ハートネット
ユアン・マクレガー
Awards
第74回(2002年) アカデミー賞 編集賞、音響賞受賞
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ゼロ・ダーク・サーティー 【2012年】

テロ組織との戦いを描いた戦争サスペンス映画です。明確な戦争映画ではありませんが、国が計画した作戦を遂行するために行うテロ組織との攻防など、戦争に通じる内容ですので、このジャンルで取り上げました。
米CIAは所属の女性分析官などを活用し、「9.11」アメリカ同時多発テロ事件の首謀者ウサーマ・ビン・ラーディンを追っている。居場所が特定できれば殺害する計画である。
居場所が特定できた。いよいよ殺害作戦を遂行する準備が整った。2011年5月2日隠密作戦は2機のヘリコプターに搭乗する特殊部隊により実行された。
「ハート・ロッカー」でメガホンをとった女性監督キャスリン・ビグローが、またも中東に関連する作品を担当しました。
原題の「Zero Dark Thirty」は殺害作戦を実行した時間帯の「未明」を表しているのではないでしょうか。
上映時間:157分
監督 :キャスリン・ビグロー
出演者 :ジェシカ・チャステイン
ジェイソン・クラーク
ジョエル・エジャトン
Awards
第85回(2013年) アカデミー賞 音響編集賞監督賞
作品賞など4部門ノミネート
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ヒトラーの忘れもの 【2016年】

デンマークとドイツが合作した戦争ドラマ映画です。第二次世界大戦終結間もなくが背景になっていますが、戦争の爪痕ということで、ジャンルを戦争映画でご紹介しています。
本作品は、第二次世界大戦後のデンマークで起こった史実に基づいて制作されています。
戦争中にドイツ兵がデンマークの海岸に大量に埋めた地雷除去のため、捕虜の若きドイツ兵達が危険な作業に立ち向かう様を描いています。
上映時間:100分
監督 :マーチン・サントフリート
出演者 :ローランド・ムーラー
ミケル・ボー・フォルスゴー
Awards
第88回(2016年) アカデミー賞 外国語映画賞受賞
各種映画賞を多数受賞
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ダンケルク 【2017年】

この作品では軍隊同士の白兵戦や砲撃戦、あるいは航空機による空中戦などは期待しないでください。テーマ自体が違うので、そのようなシーンはあまり出てきません。
本作品は第二次世界大戦中の、いわゆる「ダンケルクの戦い」に基づく史実で、手っ取り早く言うと、ドイツ軍に対する連合軍側の形勢不利の状況を描いています。
ダンケルクの所在場所は、フランス最北端で、ベルギー国境から比較的近い場所に位置しています。
この場所で連合国側の大規模な撤退作戦が実行されたわけで、ダンケルク撤退作戦あるいはダイナモ作戦と呼ばれています。
映画ではこの作戦を史実に基づき詳細に描いており、第二次世界大戦中の激しい攻防戦以外に、このような地味な作戦が行われていたことを知る良い機会です。
2017年の映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でもこの作戦の様子が描かれています。
上映時間:106分
監督 :クリストファー・ノーラン
出演者 :フィン・ホワイトヘッド
トム・グリーン=カーニー
ジャック・ロウデン
ハリー・スタイルズ
Awards
第90回(2018年) アカデミー賞 編集賞、録音賞、音響編集賞受賞
作品賞など8部門ノミネート
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1917 命をかけた伝令 【2019年】

本作品の時代背景は、第一次世界大戦下の西部戦線ですが、前述の「西部戦線異状なし」と同様に塹壕の様子が詳細に描かれています。
作品の見どころは、全編通してワンカットで撮影したかのような、連続性のある映像です。
つまり、伝令の動きにカメラが長時間寄り添って撮影しているわけです。実際にはワンカットは無理で、つなぎ合わせた部分もあったようですが、臨場感は十分に味わえます。
このような手法は日本の映画でも取り入れられていますが、多くは一室の部屋の中の情景が多いように感じます。
作品内容は、1600名の味方兵力を救うために身の危険を顧みず、伝令としての任務を全うする兵士を描いています。
題名の「1917」は本作品の時代背景1917年を表しています。
上映時間:119分
監督 :サム・メンデス
出演者 :ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
マーク・ストロング
アンドリュー・スコット
Awards
第92回(2020年) アカデミー賞 撮影賞、視覚効果賞、録音賞受賞
第77回(2020年) ゴールデングローブ賞 作品賞、監督賞受賞
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ミッドウェイ 【2020年】

太平洋戦争の勝敗を決めたと言われる日本海軍と米海軍の戦い、「ミッドウェー海戦」に焦点を当てた映画です。
映画のタイトルは”ミッドウェイ”ですが、表記する場合は”ミッドウェー”の場合もあります。
ミッドウェー海戦は、昭和17年(1942年)の6月5日~7日にかけて、中部太平洋のミッドウェー島近海で行われた、日米の大規模な海戦のことです。
米海軍に暗号を解読された日本海軍は、空母4隻、航空機約300機等を失うという大きな損害を受けてしまいます。
この戦いが太平洋戦争のターニングポイントで、以降は太平洋における主導権をアメリカ軍に譲り渡すことになりました。
キャストは豊川悦司、浅野忠信、國村隼など日本の映画俳優も多数出演しています。
なお、映画「ミッドウェイ」は、本作以外に1976年の同名映画もあります。
上映時間:138分
監督 :ローランド・エメリッヒ
出演者 :エド・スクライン
パトリック・ウィルソン
ルーク・エヴァンズ
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アウトポスト 【2021年】

アフガニスタン紛争で最も激しいと言われる戦闘を描いた、史実に基づく戦争映画です。
本作品は、2009年10月3日に起こった米軍とイスラム組織タリバンとの激戦「カムデシュの戦い」を驚くほどのリアル感で描写しています。
そもそも、この場所に米軍の前哨基地を設営した理由が理解できません。周囲はすべて山岳地帯に囲まれており、基地はその谷底にあるのです。
不意を突かれたら逃げようもなく、ひたすら戦うのみの状況に陥ってしまいます。
圧倒的多数の敵に対し、米軍兵士は激戦を繰り広げます。
主役はクリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドが演じています。
タイトルの「アウトポスト」は前哨基地、前哨部隊を指します。
上映時間:123分
監督 :ロッド・ルーリー
出演者 :スコット・イーストウッド
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
オーランド・ブルーム
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アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 【2022年】

2019年に日本公開された同名映画をオリジナル・ディレクターズ・カット版として、未公開シーン48分を加えて蘇りました。
北欧フィンランドでは、知る人ぞ知る名作「無名戦士」を題材にした戦争映画です。
時代背景は第二次世界大戦中の1941年、領土の一部を奪われたフィンランドは、領土を再び取り戻そうとソ連に侵攻します。
上映時間:132分
監督 :アク・ロウヒミエス
出演者 :エーロ・アホ
ヨハンネス・ホロパイネン
ジュシ・ヴァタネン
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以上で「戦争・Military映画 1930年から90年間の極上な洋画作品」に関するご紹介を終わります。