Windows 11における「休止状態」とは、現在開いているアプリやファイルの作業状態を、ストレージに保存して電源を完全に切る機能で、ハイバネーションとも呼ばれます。
次にパソコンを起動すると、前回の作業の続きからすぐに再開できるため、ノートPCのバッテリーを消費せずに以前の状態を保持したい場合に最適です。
しかしながら、休止状態が有効化されている場合は懸念すべき点もあります。例えば、電源を切断すると本来は削除されるはずの一時データはストレージに保存されます。
このための保存領域を大量に確保(数GB~数十GB)しておく必要があり、かつストレージへの負荷もかかるのです。
「休止状態」の利用には利点と併せて弱みもあります。使うかどうかはそれぞれの環境に合わせて設定することをお勧めします。
本稿では、Windows 11における「休止状態」の概要及び機能の有効化/無効化を設定する方法について解説いたします。解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 25H2」です。
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1 休止状態の概要
Windows 11の「休止状態」を有効化すると、メモリー上にある作業中のアプリやファイルのデータを全てSSDやハードディスクに保存し、電源を完全に切ります。
スリープよりも起動時間はかかるものの、シャットダウンよりスピーディーに起動できます。
また「電源を切っても作業内容は消えない」「スリープと比較すると節電効果は高い」などのメリットもあります。
休止状態を利用するデメリットもあります。「スリープより元の作業状態に戻る時間は遅い」「データの書き込みが増えるためストレージの寿命は短くなる」などがそれです。
わけてもパソコンのパフォーマンスに影響を及ぼすのが、Cドライブに生成される巨大な休止ファイル(hiberfil.sys)です。
この巨大なファイルがストレージの空き容量を圧迫して、パソコンのパフォーマンスは低下するのです。
休止ファイル(hiberfil.sys)のサイズはかなり大きく、実装RAM容量の約40%〜75%に自動設定され、一般的に数GB~数十GBにもなります。
小生のPC環境(実装RAM 32GB、Cドライブ 1TB)では、12.6GBがシステムで予約されています。
使っているパソコンのストレージ容量に余裕があり、ノートPCでバッテリー節電を優先したい場合は「休止状態」を有効化し、Cドライブの空き容量を確保したい場合や、「休止状態」を利用しない環境ならば無効化することをお勧めします。
2 「休止状態」の無効化/有効化を確認する手順
「休止状態」を有効化すれば、システムドライブ(一般的にはCドライブ)に「hiberfil.sys」ファイルが生成されます。
「休止状態」を無効化すれば「hiberfil.sys」ファイルは削除されて非表示になります。
「hiberfil.sys」ファイルが表示または非表示になっているかどうかにより、「休止状態」が無効なのか有効であるかを確認できます。
「hiberfil.sys」ファイルの表示/非表示の状態を以下に示す手順で確認しましょう。
なお、本ファイルはシステムの隠しファイルになっているため、通常は非表示になっています。まずは隠しファイルを表示するための手順を説明します。
2-1 隠しファイルを表示する手順
- ファイルエクスプローラーを開きます。
- 画面右上の「・・・」3点リーダーと、メニューの「オプション」を順にクリックします。
- フォルダーオプションが表示されます。
画面上部にある「表示」タブをクリックし、「詳細設定」セクションをスクロールダウンします。
「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」を選択します。 - さらにスクロールダウンして「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」のチェックを外します。
「OK」ボタンをクリックします。 - 誤ってシステムファイルを削除することのないように、必要な作業が終わったら本設定は元に戻します。
- 以上で操作は完了です。
隠しファイルの表示設定ができたら「hiberfil.sys」ファイルの表示または非表示の状態を、以下に示す手順で確認します。
2-2 ファイル エクスプローラーから確認する手順
- ファイル エクスプローラーを開きます。
- ナビゲーションウィンドウにあるシステムドライブ(一般的にはCドライブ)をクリックします。
右のフォルダー ウィンドウに「hiberfil.sys」が表示された場合は、休止状態はオンになっています。
表示されない場合は、休止状態はオフになっています。
このシステムファイルのサイズを確認すると、小生のPCでは約12.6GBと表示されました。 - 以上で操作は完了です。
2-3 設定アプリから確認する手順
以下に示す手順で設定アプリに「休止ファイル」と表示された場合は、「休止状態」は有効化されており、表示されないときは無効になっています。
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、クイックリンクメニューの「設定」をクリックします。
- 設定画面が開きます。
左ペインにある「システム」と、右ペインに表示された「ストレージ」を順にクリックします。 - ユーザーアカウント制御画面が表示されたら「はい」ボタンをクリックします。
- ローカルディスク(C:)の設定画面が表示されます。
右ペインにある「表示するカテゴリを増やす」をクリックします。 - 右ペインに表示された「システムと予約済み」をクリックします。
- 休止状態が有効になっている場合は、右ペインに「休止ファイル」項目とサイズが表示されます。
休止状態が有効化されていても「休止ファイル」項目が表示されない場合は、この画面を再読み込みしてください。 - 以上で操作は完了です。
3 休止状態を無効化/有効化する手順
「休止状態」の無効化/有効化の設定は、ターミナルまたはコマンドプロンプトのコマンドで実行します。
コントロールパネルの電源オプションからは、電源メニューに「休止状態」を明示的に表示または非表示にするかどうかの設定は可能です。
3-1 休止状態を無効化する手順
「休止状態」を無効化すると電源メニューに表示される「休止状態」は非表示になるとともに、「高速スタートアップ」も自動的に無効化されます。
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、クイックリンクメニューの「ターミナル(管理者)」をクリックします。
- ターミナル(PowerShell)が表示されます。
プロンプトに「powercfg /h off」と入力して「Enter」キーを押します。 - 休止状態は無効化されます。
前述の手順で「hiberfil.sys」または「休止ファイル」の表示状況を確認します。 - 以上で操作は完了です。
「休止状態」無効時の設定項目
休止状態を無効にすると休止状態に関連する機能も無効になります。具体的にはコントロールパネルによる設定の「高速スタートアップを有効にする」や「休止状態」のチェックボックスが消去されて有効にできなくなります。
以下はコントロールパネル設定画面
言うまでもなく、電源メニューに「休止状態」は表示されません。
3-2 休止状態を有効化する手順
- 前述の「休止状態を無効化する手順」と同じ操作手順でターミナル(PowerShell)を表示します。
- プロンプトに「powercfg /h on」と入力して「Enter」キーを押します。
- 休止状態は有効化されます。
「hiberfil.sys」または「休止ファイル」の表示状況を確認します。 - 以上で操作は完了です。
「休止状態」有効時の設定項目
休止状態を有効にすると無効時にできない休止状態関連機能も有効にできます。
以下はコントロールパネル設定画面
電源メニューで「休止状態」を選択できます。
電源オプションについては、以下の関連記事をご参照ください。
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