Windows 11と10の操作:「ファイル名を指定して実行」(英語名はRun)の使い方

「ファイル名を指定して実行」は、アプリやプログラム、フォルダー、システムコマンドなどの 名前(コマンドやパス)を直接入力して実行するツールです。

スタートメニューやアイコンを何度もクリックしてたどる操作を、キーボードからの短い命令(コマンド)で素早く起動できるため、特にWindowsの操作に慣れている方にとっては非常に実用的なツールです。

例えば、「.」(ドット)一つを入力してEnterキーを押せば「ユーザー フォルダー」が開いたり、「notepad」と入力してEnterキーを押せば「メモ帳」を素早く開くことができるのです。

このように適切なコマンドを使えば余計なクリック操作を省いて、設定やシステムツールなどの画面に手間なく到達します。

本稿では、Windows 11と10による「ファイル名を指定して実行」ツールの使い方について解説いたします。

解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 24H2」です。Windows 10でもまったく同じように利用できます。

Windows 11の設定や操作手順などについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

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1 ツールの起動手順

本章では「ファイル名を指定して実行」ツールの起動方法を2つご紹介いたします。

1-1 ショートカット キーで起動する手順

  1. キーボードの「Windowsロゴ + R」キーを一緒に押します。(Rは英語名Runの頭文字)

  2. 画面左下に「ファイル名を指定して実行」ダイアログが表示されます。




  3. 以上で操作は完了です。

1-2 クイック リンク メニューから起動する手順

  1. タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックします。

    クイックリンクメニューが表示されます。

    クイックリンクメニューの「ファイル名を指定して実行」をクリックします。




  2. 画面左下に「ファイル名を指定して実行」ダイアログが表示されます。




  3. 以上で操作は完了です。

2 ファイル名を指定して実行でできること

この機能の真価は、様々なシステムツールや設定画面を直接呼び出せる点にあります。以下に代表的なコマンドを挙げます。

コマンドを「ファイル名を指定して実行」ダイアログの「名前」ボックスに入力してください。

初めての画面で不安に感じる人もいるかと思いますが、スペルなどを誤って入力しても心配ありません。誤入力のコマンドは実行されないだけです。

2-1 アプリケーションを起動するコマンド

PCにインストールされているプログラムを素早く起動できます。

コマンド 開かれるアプリケーション

calc

電卓
cmd コマンドプロンプト
explorer エクスプローラー
mspaint ペイント
notepad メモ帳
powershell パワーシェル

2-2 Windowsのシステムツールや設定関連のコマンド

通常は深い階層にあって見つけにくい設定画面も、コマンド一発で開けます。

コマンド 開かれる画面 要 旨
charmap
文字コード表

システムのすべての記号、文字、矢印や通貨、著作権などの記号、アクセント付き文字、絵文字などあらゆる文字にアクセスできます

cleanmgr
ディスク クリーンアップ  ディスク クリーンアップ ツールが直接開きます。

インターネット一時ファイル、システム生成ログファイル、古いWindows Updateのバックアップなどを削除できます
eventvwr イベントビューアー Windowsがシステム上で記録した様々な出来事(イベント)を一覧で確認できる管理ツールを開きます
msconfig システム構成 PCのスタートアップやブート設定などを管理する画面を開きます
msinfo32 システム情報 CPUモデル、RAM、BIOSバージョンからマザーボードの詳細、Windowsのエディションまで、あらゆる情報が表示されます
netplwiz ユーザーアカウント 自動ログイン設定画面を開きます(パスワード入力は省略できる)

PCを起動するたびにパスワードを入力するのが面倒な場合は非常に役立ちます
regedit レジストリエディター Windowsの高度な設定データベースを編集する画面を開きます
%temp% 「Temp」フォルダー エクスプローラーの「Temp」フォルダーが開きます。

「C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Temp」が開く

フォルダー内のファイルを削除することでストレージの空き容量を確保できます。

2-3 コントロールパネル関連のコマンド

コマンド 開かれる画面 要 旨
appwiz.cpl プログラムと機能 コントロールパネルのプログラムと機能が開きます

アプリのアンインストール画面を最短で開けます
control コントロールパネル 各種システム設定画面を開きます

Windowsの設定に必要になることは多々あります
desk.cpl ディスプレイの設定 Windows 11のディスプレイに関する設定画面を開きます
inetcpl.cpl インターネットのプロパティ インターネットに関する詳細設定や、セキュリティのレベル設定を実行できます
main.cpl マウスのプロパティ ポインタの速度やボタンの配置、ダブルクリックの速度、ホイールスクロールなど、マウスに関する設定がまとまっています
ncpa.cpl ネットワーク接続 ネットワークアダプターの設定画面を開きます
powercfg.cpl 電源オプション 電源プラン(省電力、バランスなど)の画面を開きます
sysdm.cpl システムのプロパティ PC名の変更や、システムの復元、復元ポイントの作成、パフォーマンス設定の画面を開きます

2-4 Windowsの管理用ツール関連のコマンド

コマンド 開かれる画面 要 旨

compmgmt.msc

コンピューターの管理 タスクスケジューラやイベントビューアー、ディスクの管理などのツールにアクセスできます
devmgmt.msc デバイスマネージャー PCに接続されているデバイスの状態を確認、管理する画面を開きます
diskmgmt.msc ディスクの管理 ディスクボリュームの拡張、ボリュームの縮小、新しいディスクの初期化、ドライブレターの変更など、ハードディスクの管理画面を開きます
gpedit.msc ローカルグループポリシーエディター Windowsのシステム設定やセキュリティ設定(グループポリシー)を編集するツールを開き、ローカルのコンピューターや利用者アカウントに適用される設定をカスタマイズできます
services.msc サービス Windowsの裏側で動いているサービスの管理画面を開きます

2-5 特定のフォルダーを開くコマンド

以下のパスを入力すると、エクスプローラーで特定のフォルダーを直接開くことができます。

コマンド 開かれる画面
c:\ Cドライブのルートを開きます(Cドライブを開く)
. ドット一つで現在のユーザー フォルダーを開きます。(C:\ユーザー\ユーザー名)
.. ドット二つで「C:\ユーザー」を開きます
shell:Common Programs
スタートメニューのプログラムを開きます
shell:Common Start Menu ユーザーのスタートメニュー
shell:Fonts

PCにインストールされているフォント一覧が表示されます

shell:startup エクスプローラーのスタートアップフォルダーを開きます

(C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup)が開く

ここに入れたプログラムはPC起動時に自動実行されます。
shell:sendto

ファイルやフォルダーの「送る」メニューの内容を編集できるフォルダーを開きます

「C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\SendTo」が開く

shell:system

C:\Windows\System32を開きます

ここまで「ファイル名を指定して実行」に使う代表的と思われるコマンドをご紹介しました。

一見すると上級者向けのツールに思えるかもしれませんが、覚えておくと便利なコマンドが数多く存在します。

いくつか覚えてしまえば簡単に実行できるので、PCの操作が格段にスムーズになります。是非とも活用してください。

以上で「Windows 11と10の操作:「ファイル名を指定して実行」(英語名はRun)の使い方」に関する解説を終わります。

Windows 11の設定や使い方などについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

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