Windows 11に組み込まれている「クイックマシンリカバリー:Quick Machine Recovery(QMR)」は、PCが正常に起動できなくなった際にクラウドを利用して自動修復を試みる機能です。
従来のスタートアップ修復を補強する仕組みとして導入され、より高度な修復をユーザーに負担をかけることなく実行します。
本稿では、Windows 11における「クイックマシンリカバリー」の概要と、設定方法について解説いたします。
解説に使用したOSは「Windows 11 pro 25H2」です。OSのバージョンにより、設定内容や操作手順が異なることもあります。
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トラブルシューティングについては、以下の関連記事をご参照ください。
1 クイックマシンリカバリーの概要
クイックマシンリカバリーは、システムの回復力を高める一環として起動に問題があるPCを自動修復するための機能で、Windows 11 24H2以降に導入されました。
従来のスタートアップ修復はオフライン(ローカル環境)でも実行できましたが、本機能はクラウドと連携するためネットワークに接続されていることが必須です。
クイックマシンリカバリーで主にできることを以下に示します。
- OSを修復インストールする
ユーザーのデータやアプリ、設定を保持したまま、Windowsのシステムファイルだけを最新・正常なものに置き換えます。 - 深刻な破損からの復旧
ローカルの回復イメージ(PC内の修復用データ)自体が壊れてしまっている場合でも復旧可能です。 - 更新プログラムによる不具合の解消
Windows Update後にOSが不安定になった場合、正常なバージョンを再取得して上書きします。
以上のような事項について、ユーザーの手を煩わすことなく自動修復を実行します。ただし、すべての問題を解決できるとは限らない点に注意が必要です。
クイックマシンリカバリーによる自動修復のフローを簡単に説明いたします。ここではPCの起動時に問題が発生したことを事例としています。
- PCの起動時に次の問題が発生すると、OSは起動失敗を検出します。
● ブルースクリーン(BSOD)
● Windows 11が正常起動しない
● 起動失敗の繰り返し
このような場合、Windowsは通常起動をあきらめてWindows回復環境(WinRE)モードに入ります。 - WinREの中でWi-Fiまたはイーサネットでインターネット接続を行い、システムの診断情報(エラーコード、ドライバー情報など)を収集します。
- Microsoftクラウド(回復サービス)へ収集した情報を送信します。
- 情報を受信したクラウド側は、同じ障害がグローバル環境で発生していないか、修正パッチがあるか、ドライバーや更新プログラムが原因か、といった分析作業を行います。
- 原因が特定されると、Windows Update経由で修正プログラムをダウンロードします。
- OSはダウンロードされた修復を自動実行します。
- 修復が成功すればPCを再起動すると正常起動します。
- 修復できない場合は、従来の回復メニューやスタートアップ修復、システムの復元などに移行します。
- 以上がクイックマシンリカバリーによる自動修復の流れです。
2 クイックマシンリカバリーの設定手順
クイックマシンリカバリーは、Windows 11 Homeではデフォルトで有効化されています。Windows 11 proやEnterpriseでは無効になっていますが、有効化に移行しつつあります。
以下に示す手順で有効・無効の設定を行います。
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、クイックリンクメニューの「設定」をクリックします。
- 設定画面が表示されます。
左ペインにある「システム」と、画面をスクロールダウンして表示された、「回復」を順にクリックします。 - 回復オプション欄にある「クイックマシンリカバリー」をクリックします。
- 表示されたクイックマシンリカバリーのトグルスイッチをオンにします。
有効化されるとクラウド修復が自動で動作するようになります。 - 上画像の「解決策を自動的に確認する」のトグルスイッチをオンにすると、「ソリューションを探す」で設定した間隔で修復ソリューション(解決策)を自動でチェックします。
「ソリューションを探す」のプルダウンメニューをクリックして、解決策を探す間隔を指定できます。
無効化すると、従来からある「スタートアップ修復」が表示されます。
画像などは後述しています。
3 Windows回復環境(WinRE)画面を表示する
クイックマシンリカバリーを有効化または無効化すると、Windows 回復環境ではどのように表示されるのか確認しましょう。表示確認であって問題の修復手順ではありません。
- 前述の「見出し2 クイックマシンリカバリーの設定手順」の操作手順①と②を実行します。
- 「回復」画面が表示されます。
「回復オプション」欄にある「PCの起動をカスタマイズする」の「今すぐ再起動」をクリックします。 - しばらく待つと「Windows回復環境(WinRE)」画面が表示されます。
「トラブルシューティング」をクリックします。 - 「詳細オプション」をクリックします。
- クイックマシンリカバリーが有効化されていると「クイックマシンリカバリー」と表示されます。
この項目をクリックすると、起動に関する問題を手動で修復できる可能性がありますが、正常に起動している場合はエラーが表示されます。
クイックマシンリカバリーが無効化である場合は「スタートアップ修復」と表示されます。
以上で「Windows 11のトラブルシュート:起動に問題があるPCをクイックマシンリカバリーで自動修復する」に関する解説を終わります。
Windows 11のトラブルシューティングについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。
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