こんな本を読んでみませんか?

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 毎日飽きもせず本を読んでいます。夜ベッドに入ってから小説にどっぷりとつかるのが私の読書スタイル。
 酔っぱらっていても必ず本を開く。開いても1分後には高いびきでご就寝と相成ることも。
 もう数十年間このスタイルを継続中。ただ齢を重ねてきたためか、読んだ本が何だったか、どんな内容だったのか忘却の彼方に去ることもしばしば。
 おかげで同じ本を何回も図書館で借りることもたびたび。そんな読書三昧の中から、私のお気に入りで「時間を忘れるほど面白い」本や「気持ちが高揚した」本、「すっかり落ち込んでしまった」本、あるいは「感銘を受けた」本など、いつまでも忘れられない小説をまとめてみました。
 国内、海外の小説問わず、ランキングもつけませんが、誰もがよく理解でき、とっつきやすい本を選択しているつもりです。
 ジャンルは私なりの見解で7項目に分けて解説いたします。ネタバレは全くありませんので安心して読み進めてください。

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1 自伝・自叙伝

福翁自伝  福沢 諭吉

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  明治時代の啓蒙思想家で一万円札のモデルにもなっている、ご存じ福沢諭吉さんの自叙伝です。
 あの人がこんなに機知に富んだユーモアのあるお話をしてくれるとは。とにかく諭吉さんの人柄がよくわかります。
 別に読者を笑わせようとしているのではない。美辞麗句で自身を際立たせるわけでもない。が、読んでいるとおもわずニヤリとしてしまう。「うん!うん」と!うなずいてしまう。そんな自伝書です。
 しかしながら、酒が大好きで、現在でいう小学生のころから日本酒で鍛えていたとはさすがやることが違う。
 次に解説する勝海舟さんとはそりが合わなかったようで、彼のことは自伝の中ではよい評価はしていません。
 本書の刊行は1899年(明治32年)6月15日で、日本では山縣有朋が第9代内閣総理大臣、世界ではスペインのサッカークラブFCバルセロナ、イタリアのACミランが創設されています。


氷川清話  勝 海舟

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 彼の自伝であり談話集でもあります。幼年時代の極貧生活から始まり、幕末から明治維新期の国の政策や社会の現状を洒脱な語りで淡々と述べています。
 「福翁自伝」とともに明治維新期の混乱した社会情勢をうかがい知ることができる内容です。
 徳川幕府側で西郷隆盛と対等に渡り合えたのは彼だけであり、日常も西郷隆盛とは親しかった様子です。
 当時の世相や有名人を彼なりの考え方で論評しているのがとても興味深く感じました。江戸城無血開城にいたる経緯も語っており、ことをまとめることの難しさを感じとることができます。
 本書の刊行は1909年(明治42年)で、伊藤博文が暗殺された年でもあります。


フランクリン自伝  ベンジャミン・フランクリン

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 印刷業者であり、発明家でもあり、さらに科学者、気象学者、文筆家、政治家でもあるというまさにマルチタレントの先駆者、アメリカのベンジャミン・フランクリンの自伝です。最高額紙幣100ドル札の肖像にもなっていますね。
 わが国でも明治時代から有名な自伝書で、「人生で成功するためはいかにすべきか。」というような「How To」感覚で読まれていたようです。
 興味深いのはこの自伝は、1759年(宝暦9年 9代将軍 徳川家重)彼が53歳までの著述でストップし、後半生の30年は書かれていないことです。たとえ未完であっても物語としての面白さに変わりはないと思います。

2 歴史・時代

夜明け前  島崎 藤村

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 島崎藤村の小説で、日本近代文学の代表作品として評価される歴史大作です。
 山深い信州木曽を舞台に、ペリーが来航した1853(嘉永6年)年から1886年(明治19年)までの幕末・明治維新の動乱期の中で、主人公を取り巻く数奇な人生や動乱期の混沌とした情勢を描いています。
 文芸評論家の篠田一士は自らの「二十世紀の十大小説」で日本作品として唯一この夜明け前を選んでいます。
 本書の刊行は第1部は1932年(昭和7年 5.15事件発生)、第2部は1935年(昭和10年 忠犬ハチ公死亡)です。


坂の上の雲  司馬 遼太郎

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 司馬遼太郎を語らずして歴史小説を語ることなかれ。かれが著述した歴史小説はすべてが面白く、集中して読書に取り組むことができます。
 そんな歴史小説の中でも彼の代表作品が「坂の上の雲」です。明治維新から日清戦争に進み、日露戦争勝利までの過程を骨太で描いています。
 長い、本当に長いです。長編小説とはこのことです。でも時間を忘れさせてくれます。読み始めたらきっと寝不足になることでしょう。
 本書の刊行は1969年(昭和44年 アポロ11号人類初の有人月面着陸)から1972年(昭和47年 札幌冬季オリンピック開催)です。


ゴッホの手紙  エミル・ベルナール編 J・V・ゴッホ-ボンゲル編

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 「ひまわり」「アイリス」などの油絵で有名な画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(フィンセント・ファン・ゴッホ)が友人や弟とその妻に宛てた手紙をまとめたものです。
 ゴッホの絵画に対する情熱と、じわじわと崩れ行く精神状態が手に取るようにわかる手紙です。
 しかしながら900通以上の手紙をよくぞ保管していたものと、ただただ驚くばかり。現在はオランダのアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館に保管されているそうです。
 本書の岩波文庫版では、上巻:親友ベルナール宛22信、  中・下巻:弟テオドル宛120信がまとめられています。
 「炎の人ゴッホ」というカーク・ダグラス主演の映画もあります。この映画によりゴッホの人となりが決定されたというほどの作品です。視聴価値は十二分にあります。DVDまたは動画配信サービスで視聴可能です。


小説十八史略  陳 舜臣

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 十八史略というのは中国史といったらよいでしょうか。太古から宋代に至る中国の歴史を記述したものです。
 日本に室町時代に伝来し、盛んに読まれたそうです。読み始めるとすぐわかるかと思いますが、現在も使われている故事やことわざ、漢字などが記述されているのでとても参考になります。
 本書はこの十八史略を陳舜臣が小説風に読みやすくまとめたものです。長い小説ですがそれだけの価値があり、平易な言葉づかいなのでとても読みやすいでしょう。

3 アクション

ミレニアム  スティーグ・ラーソン/ダヴィド・ラーゲルクランツ

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 このミステリー系アクション小説を楽しむには理屈はいりません。とにかくドツボにはまります。世界的にも大ヒットしましたね。
 ストーリーの展開の速さ、バイオレンスなどアクション系小説のすべてが具現化されています。
作品はミレニアム3部作(作者:スティーグ・ラーソン 3部で死亡)と続編3部作(ダヴィド・ラーゲルクランツ )と作者により区分されています。
 映画化もされていますがこれも大ヒットでした。


極大射程  スティーヴン・ ハンター

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 ハードボイルド・アクション・ミステリー小説と言ったらよいでしょうか。これらすべてがてんこ盛りの大サービスです。日本でいうと、今は亡きハードボイルド作家の大藪春彦さんのイメージでしょうか。
 銃や軍隊に興味のある方には外せない作品かと思います。軍隊と言っても主人公の経歴の一部としてのことで、主題は元アメリカ海兵隊のスナイパーによる復讐劇です。
 「ザ・ファイター」などで有名な「マーク・ウォールバーク」主演による「ザ・シューター/極大射程」という題名で映画化もされました。 

4 ミステリー・サスペンス

幻の女  ウィリアム・アイリッシュ

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 本書は「史上最高の推理小説100冊」や「史上最高のミステリー小説100冊」にランクインされていませんが、私にとってはナンバーワンに位置する作品です。
 ウィリアム・アイリッシュの代表作で、1942年に発表されたミステリー小説です。後半部分の息をのむほどの緊張感は言葉で表せません。


オリエント急行の殺人  アガサ・クリスティー

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 「ミステリーの女王」といわれる、イギリス出身のご存じ「アガサ・クリスティー」の作品です。彼女の発表する作品はほとんどがベストセラーになるほどの人気作家ですね。
 わたくしは、日本で発売されているアガサ・クリスティーの書籍はすべて読んだつもりですが、その中からこの1作を取り上げました。
 なぜなら「エルキュール・ポアロ」シリーズが大好きであること。飛行機や鉄道などの乗り物に関連するミステリー作品が好きであることからです。
 後半部分でエルキュール・ポアロが解き明かす、被害者と犯人の相関関係がまことに面白く、肝はここにあるといっていいでしょう。 
 本書は1974年、2017年と2度映画化され、「名探偵ポワロ」でテレビドラマ化もされています。内容的には1974年版の圧勝と私は感じています。


寒い国から帰ってきたスパイ  ジョン・ル・カレ

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 イギリス情報部幹部が主役の「ジョージ・スマイリー」シリーズで有名な「ジョン・ル・カレ」のスパイ小説です。
 東西冷戦時の二重スパイに関連するストーリーですが、数あるスパイ小説の中でも最高の作品でしょう。
 とにかくリアル感とスリルが半端ではありません。それもそのはず、作者自身が諜報活動に従事していたのですから。
本書も「リチャード・バートン」主演で「寒い国から帰ったスパイ」という題名で映画化されています。


彼女のいない飛行機  ミシェル・ビュッシ

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 フランスの「ミシェル・ビュッシ」作のミステリー小説です。日本人にはあまり聞きなれない作家ですが、フランスでは実力、人気ともに兼ね備えた作家で、本書は彼の人気を決定づけた作品です。
 飛行機の題名がついていますが、飛行機に殊更注目する必要はなく、謎を追う一人の私立探偵が発見した手掛かりに注目をどうぞ。 


飢餓海峡  水上 勉

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 日本にも松本清張や東野圭吾あるいは宮部みゆき、湊かなえなど、名前をあげたらキリがないほど素晴らしい推理小説家が数多くいますが、今回は「水上 勉」の代表作である本書1作品に絞りました。
 なぜなら、あらすじの中で私が若いころ、仕事関連で住んでいた場所がメインになっているからです。それだけではありません。単なる推理小説とは思えない壮大なストーリーの中にち密さもあり、特に刑事が犯人をじわじわと追いつめる描写は息詰まるものがあります。
 本書の刊行は1963年(昭和38年)で、三國連太郎主演で映画化されたり、テレビドラマ化もされています。

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5 SF

華氏451度  レイ・ブラッドベリ

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 「華氏451度」=「摂氏233度」は紙が燃え始める温度のことだそうですが、一般的には摂氏300度以上で燃えはじめるとも書かれています。
 いずれにしてもこの作品は、焚書したり、人間の思考力を奪う恐怖社会が描かれているだけではありません。
 私たちにとって本とは何か?、時の権力者とは何か?、あるいは思考することの大切さを、組織による本を燃やす行為から教えてくれます。
 本書の刊行は1953年で、映画化もされています。


星を継ぐもの  ジェイムズ・P・ホーガン

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 ジェイムズ・P・ホーガン最初の作品で、天文学や科学知識の豊富さがよく伝わる、いわゆるハードコアSFであり、ミステリーとSF小説のハイブリッド版といってもよいかもしれません。
 近未来の地球と近くの惑星をプロットとしていますが、推理小説としても違和感なく楽しめます。初刊は1977年ですが世界中でいまだに売れ続けているヒット作です。


幼年期の終わり  アーサー・C・クラーク

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 SF小説界の大御所イギリスのアーサー・C・クラークの小説です。この作品は、SF小説ファンでなくても一度は読むべきです。
 私もアーサー・C・クラークの小説はかなり読んでいますが、本書が一番の愛読書です。
この小説も「星を継ぐもの」と同様にハードコアSFに該当するかと思います。著者の豊富な科学知識がよくわかる内容です。
 設定は東西冷戦時代で、円盤状の宇宙船が世界中の都市上空に出現するところから始まります。


火星の人  アンディ・ウィアー

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 マット・デイモン主演の「オッデセイ」ですっかり有名になった映画の原作小説です。
あたかも冒険小説「ロビンソン・クルーソー」のSF版のようであり、場所の設定が無人島と火星に違いがあるだけで、ストーリーは相当似通っていると感じます。
 SF小説にありがちな解らない言葉や、専門的知識は出てきません。どうぞサバイバル気分を存分に味わいながら楽しんでください。 


一九八四年  ジョージ・オーウェル

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 「動物農場」でも超有名なイギリスの作家ジョージ・オーウェルのSF小説です。本書もSF小説の名作として人気があり、いまだに世界中で購読者が絶えないようです。
 時代背景は1984年ですが第3次世界大戦後の世界の設定で、いわゆる全体主義政策の恐怖を描いています。
 個人的所感ですが、本書でいう全体主義国家というのは、スターリン、毛沢東、金日成などの時代を連想させます。

6 ノンフィクション

冷血  トルーマン・カポーティ

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 アメリカで実在した殺人事件を元に、トルーマン・カポーティが1966年に刊行した小説です。
著者自身が犯人たちや事件関係者に取材を行い、終末に至るまでの過程を書き上げたものです。一人称視点で物語を進めていることが特徴的です。
 彼の幼なじみで「アラバマ物語」の著者ハーパー・リーも取材に同行していることも、興味深いことです。
 今は亡き「フィリップ・シーモア・ホフマン」の主演で映画化もされました。小説と同様に緊張感が随所に漂う映画でした。


夜と霧  V.E.フランクル

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 ユダヤ人としてナチスにアウシュビッツ収容所に囚われ、死との背中合わせの極限状態を乗り越えて生還した、心理学者V.E.フランクルの著述です。
 フランクルの強制収容所における体験をまとめた作品ですが、凄惨な写真や描写も数多くあり、思わず本を閉じることもしばしばありました。
 人間や組織は取り巻く社会環境により、易々と狂気にはまり込むことを本書は教えてくれます。


死ぬ瞬間 死とその過程について  エリザベス・キューブラー・ロス

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 アメリカの精神科医エリザベス・キューブラー・ロスが1969年に発表した著書です。
 末期患者に対し心理状態などを取材したもので、死を受け入れるまでの過程を丁寧に解説したものです。
 人間の死に関心を持っている方や、死に恐怖を持っている方は是非とも目を通してください。もしかしたら、心落ち着き、安らかな気持ちになれるかもしれません。 


ワイルド・スワン  ユン・チアン

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 中国人女性作家ユン・チアンの中国女性3代にわたる半生と、混沌とした中国の歴史の一部分を描いた小説です。
 舞台は中国の軍閥時代、抗日戦争、文化大革命と長きにわたり、特に文化大革命に名を借りた、中国共産党の圧政には驚かされるものがあります。
 毛沢東の時代を知るには格好の資料となるでしょう。


失敗の本質  戸部良一を含め6名の共著

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 旧日本軍の戦略的、戦術的失敗に焦点を当てた戦史研究書です。旧満州とモンゴル国境で発生したノモンハン事件を皮切りに、太平洋戦争における旧日本陸海軍の各作戦の事例を元に、敗戦の原因を追究しています。
 本書は軍事面を通しての研究ですが、現在の企業や公的機関の組織運営にも有用な資料であると思います。


古寺巡礼  和 辻 哲 郎

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「美しく古びた銅のからだから一種の生気が放射して来るかのようであった。ことにあの静かに垂れた右手に近よって、象牙のように滑らかな銅の肌をなでながら、横から見上げたときには、この像の新しい生面が開けるかのようであった。単純な光線に照らされた正面の姿のみを見たのでは、まだ真にこの像を見たとはいえないと思う。あの横顔の美しさ、背部の力強さ、ーー背と胸とを共に見るときのあの胴体の完全さーーあの腕も腰も下肢もすべて横から見られたときにその全幅の美を露出する。」

「古寺巡礼」本文から抜粋

 上述は、著者が薬師寺東院堂の聖観音の前に立った時の所感を記したものです。本書「古寺巡礼」にはこのような日本語の奥深さ、豊かな表現力が随所に記されています。
 透徹した心、感覚鋭敏にして、感受性豊か。この言葉が著者を表すのに最も適しているように思います。
 「古寺巡礼」は著者が大正7年に、奈良近辺の古寺や仏像を見学したときの感想記です。若者にも本書を手に取っていただき、日本語の美しさを味わってもらいたいものです。


終身教授録  森 信 三

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 題名を見ただけで腰の引ける方もいるかもしれませんが、大丈夫、決して堅苦しい書籍ではありません。
 本書は、著者が京都大学哲学科卒業後、同大学大学院に籍を置きつつ、天王寺師範学校(現大阪教育大学)の学生に対し、授業を行った講義録です。
 講義の時期は昭和12年3月から昭和14年3月までのまさに軍国主義の真っ只中、対象学生は数え年で18歳前後(16,17歳頃)の学生に、普遍的な心理を追い求める大切さを重点的に述べているように感じられました。 


木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか  増 田 俊 也

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 木村政彦を知らないのは今では当たり前、力道山さえも聞いたことがない世代も多くなりました。
 そんな二人を扱ったノンフィクション小説が本書です。現在でも史上最強の柔道家といわれる木村正彦の生涯については、詳細に記述されています。
 ーー木村政彦は力道山に負けたのではないーーという強い思いから、著者は長い歳月を費やして資料収集や取材を行い、発刊に至っています。2段組で700ページ近い大作ですが、あっという間に読み終えることでしょう。


7 純文学

ドン・キホーテ  ミゲル・デ・セルバンテス

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 騎士道本の読みすぎで、とうとう自分が本物の騎士になっちゃった。と思い込んだのは妄想にとらわれた主人公ドン・キホーテ。
 納屋に転がっていた甲冑を身にまとい、やせ馬ロシナンテに跨って冒険の旅に出ます。人馬ともによぼよぼながら、その妄想癖と時代錯誤にはきっとスパルタクスもびっくりしたでしょう。
 スペインのセルバンテスが1605年(慶長10年)に発表した、ユーモアとちょっぴりペーソスが入り混じった小説です。風車に突撃する場面には大いに笑いました。
 どうぞ気軽にページを開いてください。きっと挿絵にも笑えることでしょう。


異邦人  アルベール・カミュ

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 この本を読み終えてまず頭に浮かんだのが「不条理」「理不尽」という言葉でした。
 この小説のプロットに喜びや楽しさ、心地良さはありません。ただひたすら「不条理」の言葉が目の前に浮かんできます。
 フランスの作家アルベール・カミュの代表作で、1942年(昭和17年)刊行の小説です。本書により彼の作家生涯が出発したといっていいでしょう。
 コロナウイルスに関連する書籍ということで、現在注目されている同著者作品「ペスト」も合わせて読んだらいかがでしょうか。


車輪の下  ヘルマン・ヘッセ

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 ドイツ人作家ヘルマン・ヘッセが1905年(明治38年)に発表された、彼の半生を元にした小説といわれています。
将来を嘱望されていた少年にスポットを当て、その神学校生活と変わりゆく精神状態などを記述しています。
 本書で表している、人間を取り巻く社会情勢、人間関係は現代でも同様で、特に学生をもつ親御さんに手を取ってもらいたい書籍です。


モンテクリスト伯  アレクサンドル・デュマ

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 フランス人作家アレクサンドル・デュマが1844年(天保15年)に発表した小説です。
 そうです。子供の頃誰もが読んだことのある、あの「巌窟王」のことです。典型的な報復、復讐劇、波瀾万丈の物語で世界中で大人気になりました。
 好青年はいつの時代もねたまれ、嫉妬心はあらゆる人間の心に、常に存在することがよく認識できます。


イワン・デニーソヴィチの一日   アレクサンドル・ソルジェニーツィン 

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 ロシア人作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンが1962年(昭和37年)に発表した彼のデビュー小説です。
 有名なロシア人作家の中から本作を選択したのは、内容の素晴らしさもさることながら、ページ数も中編くらいと程よく、誰もがとっつきやすい書籍と判断したからです。
 ラーゲリ(収容所)の生活を通してスターリン時代の暗い実態が明らかにされており、非常に興味深く読み進めます。


日の名残り  カズオ・イシグロ

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 ノーベル賞受賞で有名になったカズオ・イシグロが1989年(昭和64年)に発表した小説です。
 「わたしを離さないで」も人気作ですが、わたくしはカズオ・イシグロが日本で注目される相当以前にこの本を読んでおり、本書で取り入れている一人称視点からのスタイルが好みに合っています。
 主人公である老執事の語りが淡々と続きますが、それは品位と優雅さえ想起させてくれます。
 本作は映画化もされており、「ハンニバル・レクター」で有名なアンソニー・ホプキンスが主演をしています。


武士道  新渡戸稲造

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 新渡戸稲造が1908年(明治41年)欧米各国の人々を対象に発表した書籍です。新渡戸稲造は武士道についてこう述べる。
 武士道とは、「武士がその職業においてまた日常生活において守るべき道」であり、文章で表現されている法律とは違い、各々の心に刻まれている掟である。と。まさに本書の本領はここにあると思うのです
 武士道」の本質である、武士階級の透徹した倫理・道徳規範などについて、日本での事例を挙げながら丁寧に説明しています。


金閣寺  三島由紀夫

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 三島由紀夫がなぜノーベル文学賞を受賞できなかったのか。ひるがえって川端康成の良さはどこにあったのか。今もって私には理解できないのです。
 本書は三島由紀夫が1956年(昭和31年)に発表した長編小説です。モチーフは実際に発生した「金閣寺放火事件」です。
吃音者である主人公の一人称視点による告白でストーリーは進められます。愚痴を言わせてもらえば、三島由紀夫最高傑作の本書でノーベル文学賞の授与がかなえられないものだろうか。


破戒  島崎藤村

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 文豪島崎藤村が1905年(明治38年)に発表した最初の長編小説です。今の時代でもいわれのない差別や偏見はどこでも見られる事柄ですが、本書も明治後期の部落差別を主題にしたものです。
 「破戒」の意味は本書を読み進めるに従いよく理解できるかと思います。


邪宗門  高橋和巳

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 若くして逝去した高橋和巳が1965年(昭和40年)に発表した長編小説です。発表した当時は大変話題になった小説で、わたくしも初版を購入した記憶があります。懐かしくなり改めて文庫版を購読したところです。
 宗教に関することがテーマですが、日本の政治や歴史など広範にわたる大河小説といったらよいでしょう。


 いつの時代でも、読み物を手にすることは知識を身につけるだけでなく教養を深め、さらに文化や芸術に浸ることができる最高で贅沢な娯楽であろうと思うのです。
 今回ご紹介した書籍はほんの一部です。時間があれば改めてご紹介する機会を作る所存です。

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