Chrome リモートデスクトップは、ブラウザのChromeを介して他のコンピューターに遠隔でアクセスするためのツールです。
名前は聞いたことはあるけど、設定は面倒だろうし、デバイスも複数持っていないので実行できない。という人が多いのではないでしょうか。
そんな懸念は無用です。設定方法は簡単で、パソコン2台、あるいはパソコン1台とスマホがあれば試すことができます。
本記事では、Googleが提供するChrome リモートデスクトップ機能の概要と使い方について解説いたします。
解説に使用したPCのOSは「Windows 11 Pro 23H2」と「Windows 10 Home 22H2」
スマートフォンは「OPPO Reno3 A Android 11」です。
Chromeについては、以下の以下の関連記事も合わせてご覧ください。
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1 Chrome リモートデスクトップの概要
Chrome リモートデスクトップを利用すると、スマートフォンやパソコンから、異なるパソコンを遠隔操作して、ファイルやアプリケーションにアクセスできるようになります。
例えば、自宅や会社のパソコンを外出先から操作したり、離れた場所にいる家族や知人のパソコンにリモートでアクセスして、サポートを行うことが可能となります。
同一のGoogleアカウントでログインして、リモート操作をすることが基本になりますが、お互いが異なるGoogleアカウントでログインして、リモート操作することもできます。
そのほか、ファイルやフォルダーをローカルとリモート コンピューター間で転送も可能になります。
対応プラットフォームは、Windows 、Mac、Linux、Android、iosです。
本ツールを利用するための要件は以下のとおりです。
- Chromeブラウザがインストールされていること
- Googleアカウントを登録していること
- 接続先(操作される側)のパソコンの電源がオンであり、スリープになっていないこと
Googleアカウントの作成方法は、以下の関連記事をご参照ください。
ここからは、Chrome リモートデスクトップの設定と使い方についてご紹介いたします。
接続先(操作される側)の設定がメインであり、接続元(操作する側)の設定はありません。
Chromeリモートデスクトップでは、接続先(操作される側)を「ホスト」と呼称し、接続元(操作する側)は「クライアント」と呼んでいます。
本記事では、混同を避けるために「ホスト」と「クライアント」と言う語句は使用していません。
2 パソコン同士でリモート操作する
ここでは一例として、操作されるPCは「Windows 10 Home」とし、操作するPCは「Windows 11 Pro」でリモート操作を行います。
2-1 接続先(操作される側)PCの設定
操作される側のパソコンには「Chromeリモートデスクトップ」の拡張機能をインストールする必要があります。
- 以下のリンクにアクセスするか、Chromeブラウザのアドレスバーに「remotedesktop.google.com/access」と入力して「Enter」キーを押します。
remotedesktop.google.com/access - リモート アクセスの設定画面が開きます。
画面右の「ダウンロード」 ボタンをクリックします。
- chrome ウェブストアが開きます。
右にある「Chromeに追加」ボタンを押します。 - 拡張機能追加の確認メッセージが表示されたら「拡張機能を追加」ボタンをクリックします。
Chrome Remote DesktopがChromeに追加されました。 - もう一度「ダウンロード」ボタンをクリックします。
- 名前の選択画面が開き、デフォルトのパソコン名が表示されます。
このままの名前、または任意のパソコン名を入力して「次へ」ボタンをクリックします。 - PINの入力画面が表示されます。
数字6桁以上の任意のPINを入力して「起動」ボタンをクリックします。 - ユーザーアカウント制御画面が表示されたら「はい」をクリックします。
- 「リモートのデバイス」と「このデバイス」がオンラインになっていれば設定完了です。
2-2 接続元(操作する側)PCからアクセスする
本章では、接続元(操作する側)のパソコンから、接続先(操作される側)のパソコンに実際にアクセスしてみましょう。
操作する側のパソコンには、拡張機能をインストールする必要はありません。
お互いのパソコンは、同一のGoogleアカウントでログインしている必要があります。
- 以下のリンクにアクセスするか、Chromeブラウザのアドレスバーに「remotedesktop.google.com/access」と入力して検索します。
remotedesktop.google.com/access - Chromeリモートデスクトップ画面が表示されます。
左ペインの「リモート アクセス」が選択されていることを確認して、右ペインの「リモートのデバイス」に表示されているパソコン名をクリックします。
「リモート サポート」の使い方は、後述の見出し5でご紹介しています。 - 「接続しています」のメッセージが表示され、続いてPINを入力する画面が表示されます。
設定しているPINを入力して「→」ボタンをクリックします。 - 接続先(操作される側)の画面が表示されます。
以下のような共有している旨のメッセージが表示されますが、数秒で消去されます。 - この画面から遠隔でアプリやファイルを自由に操作できます。
以下の画像は、接続先(操作される側)のWindows 10のスタート画面を表示しているところです。
接続先(操作される側)のパソコンには、接続元(操作する側)のパソコンで行っている操作が同じように表示されます。
3 Chromeリモートデスクトップ接続を終了する
- 操作されている画面の右端に見える「<」をクリックします。
- 画面上部に表示された「切断」をクリックします。
- Chromeリモートデスクトップの画面が表示されます。
4 スマホからアクセスする
本章では、接続先(操作される側)のPCにスマホからアクセスしてみましょう。
AndroidスマホやiosでChromeリモートデスクトップを利用する場合は、「Chromeリモートデスクトップ」 アプリを事前にインストールする必要があります。
Google PlayまたはApp Storeから検索してインストールしましょう。
4-1 操作されるPCにアクセスする
- インストールした「Chrome リモートデスクトップ」アプリを開きます。
表示されるアプリ名は「リモート デスクトップ」です。 - 表示されたリモートのデバイス欄にあるパソコン名をタップします。
パソコンがオンラインであることを確認しましょう。オフラインになっているときは、パソコン名はグレーアウトして操作できません。
1タップで次のPIN入力画面が開かないときは、続けてもう一回タップします。 - PINを入力する画面が表示されたら、設定している数字を入力して「→」ボタンをタップします。
- 初回は以下のアクセスの許可画面が表示されることがあります。「ブロック」または「許可する」のどちらかを選択します。
- 接続先(操作される側)のパソコン画面が表示されて、スマホから操作が可能になります。
4-2 スマホの設定
スマホの設定は画面上部のツールバーから行います。
- ツールバーが表示されていない場合は、画面上部の「∨」ボタンをタップします。
- ツールバーが表示されます。
- 一例としてタップ入力の設定を行ってみましょう。
表示されたメニューの「指」アイコンをタップします。 - タップ入力の設定から好みのモードを選択します。
いろいろ試して使いやすいモードを選択します。
トラックパッド モードは、マウスポインターを指のドラッグで動かせる機能です。トラックパッド モードを選択すると小さなマウスポインターが表示されます。
ダイレクト タッチ モードは、画面をタッチ スクリーンとして使えます。
4-3 リモートデスクトップ接続を終了する
- 画面上部のツールバー右端の「︙」リーダーをクリックします。
- 表示された画面の「切断」をタップします。
5 リモート サポート機能を使う
上述では「リモート アクセス」という同一のGoogleアカウントを使ったリモート操作をご紹介しました。
本章では、「リモート サポート」機能を使って、2台のパソコンそれぞれが異なるGoogleアカウントを使い、リモート操作を行う手順をご紹介いたします。
離れて暮らす家族などのパソコンを遠隔操作して、使い方やトラブルなどのサポートを行うことができます。
5-1 遠隔操作を受けるPCの設定
サポートを受けるPCには、上述した「Chromeリモートデスクトップ」拡張機能がインストールされていることが条件です。
離れた家族とやり取りする場合は、その旨を連絡してインストールしてもらいましょう。
以下の操作手順は、拡張機能がインストールされている前提で説明しています。
- Chromeブラウザのアドレスバーに「remotedesktop.google.com/access」と入力して「Enter」キーを押します。
- 左ペインの「リモート サポート」と右ペインの「この画面を共有」欄の「+ コードを生成」を順番にクリックします。
「+ コードを作成」画面が表示される前に、「この画面を共有」の下にダウンロード ボタンが表示された場合は、ダウンロード ボタンをクリックします。
そうすると「+ コードを生成」画面が表示されます。 - しばらく待つと、12桁のアクセスコードが表示されます。
このアクセスコードをサポートする側に任意の方法で通知します。
アクセスコードの有効時間は5分です。
相手にアクセスコードの通知が終わったらこのまま待機します。 - サポートする側のPCでアクセス コードの入力が終わると、閲覧と制御の許可を促すメッセージが表示されます。
許可する場合は「共有」ボタンをクリックします。 - 「この画面を共有」画面が表示されます。
以上で遠隔操作によりサポートを受けることができます。
5-2 遠隔操作を行うPCの設定
サポートを行うPCにも上述した「Chromeリモートデスクトップ」拡張機能がインストールされている必要があります。
- Chromeブラウザのアドレスバーに「remotedesktop.google.com/access」と入力して「Enter」キーを押します。
- 表示された画面左ペインの「リモート サポート」をクリックします。
- 右ペインの「別のパソコンに接続」の「アクセスコード」欄に、通知を受けたアクセスコードを入力して「接続」をクリックします。
- 接続中の画面が表示されるので、このまましばらく待ちます。
- 遠隔操作を受ける側が上述見出し5-1の設定手順④を実行すると、サポートを受ける側のPC画面が表示されます。
この画面で自由にリモート操作が可能になります。 - リモート サポートを終了するときは、上の画像右端の「<」と、表示された「切断」を順番にクリックします。
以上で「Chrome リモートデスクトップとは?:ほかのパソコンを遠隔操作できる」に関する解説を終わります。
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