本稿では、アプリのアンインストールの概要と、クリーンアップ ツール「Geek Uninstaller」を使って、インストールしたアプリをシステムから完全にアンインストールする手順について解説いたします。
「Geek Uninstaller」には有料版と無料版がありますが、今回は無料版ソフトを使用します。
解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 24H2」ですが、「Windows 10」でも全く同じように本アプリを使用できます。
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1 アプリのアンインストールの概要
自分でインストールしたアプリで使わなくなったものをPCに残すことは、パフォーマンスの低下やストレージの容量を圧迫するだけで何一つメリットはありません。
多くの人はWindowsのインストール済みのアプリや、コントロールパネルを使って積極的に削除していることと思います。
アンインストール自体はこの操作でよいのですが、これで終わりではありません。アプリはきれいさっぱりと完全に削除されていないのです。
そうなんです。標準的な方法でアプリをアンインストールしても、一部のファイルやレジストリ情報はゴミ、残骸として残っています。
アプリをアンインストールしてもゴミファイルが残る原因の一つに、アプリ側(アプリの提供サービス)が意図的に設定情報やレジストリ情報を残したり、バックグラウンド通信は継続させるなどの行為にあります。
つまり、Windows OSがアプリのアンインストールを行っているのではなく、あくまでアプリ側の主導でアンインストールを実行することもあるのです。
では、このような一部残ったファイルはどのように処置したらよいのでしょうか?
手動による設定ファイルやフォルダーの削除、一時ファイルの削除、レジストリの編集などが対応策として考えられます。
しかし、アプリを一つアンインストールする程度なら何とかなりますが、複数のアプリとなるとかなりの作業量になります。
また、レジストリの編集には危険を伴うのでバックアップを行うなど、煩雑な作業も必要になります。
そこで利用するのが、アンインストール専門のフリーソフト「Geek Uninstaller」です。類似するフリーソフトは多くありますが、いずれも通常のアンインストールに加え、関連するファイルやレジストリまでくまなく検索し、痕跡を残さずきれいに削除してくれます。
手っ取り早く安全にかつクリーンにアンインストールしたい場合は、フリーソフトの利用がお薦めです。
2 「Geek Uninstaller」の使い方
「Geek Uninstaller」は、Windowsにインストールされた不要なプログラムを完全にアンインストールするためのツールです。
一般的なアンインストール手順では残ってしまうファイルやレジストリ情報をスキャン、検出してきれいに削除します。
また、アンインストーラーが壊れるなどしてアプリを正常にアンインストールできない場合にも強制的に削除できます。
本アプリはインストール不要で、実行ファイルから起動するだけで使用できます。利用する機会が多い場合は、スタートにピン留めしておいてもよいでしょう。
2-1 「Geek Uninstaller」のダウンロードと起動する手順
- 以下に示す公式サイトにアクセスします。
GeekUninstaller.com - 公式サイトが表示されます。
「 Geek Uninstaller Free」欄にある「ZIP(2.82MB)」ボタンをクリックします。 - ダウンロードされた「geek.zip」を展開(解凍)します。
- 展開された「geek.exe」を実行します。
- 「ユーザーアカウント制御」画面が表示されます。
「はい」ボタンをクリックします。 - 本アプリが起動し、インストール済みのアプリケーション一覧が表示されます。
デフォルトで、デスクトップ アプリ一覧が表示されます。ユニバーサルアプリ(ストアアプリ)については後述します。 - 以上でダウンロードと起動の操作は完了です。
2-2 アプリを完全にアンインストールする手順
一例としてデスクトップ アプリの「MiniTool Partition Wizard Free」をアンインストールします。
本アプリはごく普通のデスクトップアプリで、危ないアイテムではありません。なお、「MiniTool Partition Wizard Free」を通常の手順でアンインストールしたところ、ファイル エクスプローラーには以下に示すような痕跡が残っていました。
デスクトップ アプリを完全にアンインストールする手順を以下に示します。
- Geek Uninstallerを起動します。
- アプリ一覧からアンインストールしたいアプリを右クリックして「アンインストール」をクリックします。
または、アプリを選択して画面上の「動作」タブを開き「アンインストール」をクリックするか、アプリをダブルクリックしても構いません。 - 以下に示すアンインストールの確認ダイアログが表示されました。
「はい」ボタンをクリックします。
このダイアログはアンインストールするアプリにより表示内容は異なります。 - アプリは通常通りアンインストールされ、以下に示す削除完了のダイアログが表示されます。
「OK」ボタンをクリックします。
ここまでは誰もが通常通り行うアンインストール ウィザードと同じです。 - アンインストール後に「残されたファイル、フォルダーおよびレジストリ アイテムをスキャンしています」というダイアログが表示されます。スキャンが終わるまで待ちます。
このスキャンは、アプリのアンインストール後のゴミ、残骸を検出するために行います。 - スキャンが完了すると「いくつかの残されたトレースが見つかりました!」という画面が表示され、削除しきれなかったファイルやレジストリアイテムがツリー形式で表示されます。
この画面が表示されない場合は、痕跡(トレース)は検出されていないので操作は終了して構いません。
アイテムには自動でチェックが入っているため、「完了」ボタンをクリックすれば削除が実行されます。
検出ミスと分かるアイテムや削除したくない場合は、チェックを外して「完了」ボタンをクリックします。 - 「すべてのトレースが削除されました」のダイアログが表示されます。
「閉じる」ボタンをクリックします。 - 以上でアンインストール操作は完了です。
- ファイルエクスプローラーを開いて確認してみましょう。
通常のアンインストール操作では残っていたCドライブの「MiniTool Partition Wizard Free」は表示されません。
2-3 Microsoft ストア アプリのアンインストール手順
ストアアプリはMicrosoft Storeからインストールされたもので、表示とアンインストールは以下に示す手順で実行します。
- Geek Uninstallerを起動します。
- デスクトップアプリ一覧が表示されます。
画面上部の「表示」タブと、表示された「Microsoft Store Apps」を順番にクリックします。 - インストール済みのストアアプリ一覧が表示されます。
- ストアアプリのアンインストール手順は、上述のデスクトップ アプリに準じます。
- 以上で操作完了です。
2-4 その他のメニューでできること
本アプリのメイン メニューは上述した「アンインストール」ですが、その他にも以下にご紹介する便利なメニューがあります。
メニューの表示は、アプリ名を選択して画面上部の「動作」タブをクリックします。または、アプリ名を右クリックします。
- 強制削除
アンインストーラーが壊れているなど、何らかの理由でアンインストールができない場合に、アプリを強制的に削除します。
アンインストーラーは起動することなくファイルとレジストリが削除されます。 - エントリの削除
アプリそのものに影響はなく、本アプリで表示されるアプリ一覧から消去されます。(アプリ本体は削除されない)
エントリの削除を実行すると、Windowsのアプリ一覧やコントロールパネルからアプリをアンインストールできなくなります。
エントリを復活させたい場合は、エントリの削除を行ったアプリを上書きインストールします。こうすることで、Windowsのアプリ一覧やコントロールパネルから削除できます。 - レジストリエントリ
レジストリ エディターが起動し、そのアプリが登録しているレジストリーを 見ることができます - インストール フォルダー
ファイルエクスプローラーが起動し、アプリのインストール先を確認できます。 - プログラムのWebサイト
アプリの公式サイトがブラウザで開き、更新情報などを確認できます。 - ググる
Googleの検索ページが開き、アプリに関する情報を検索できます。
以上で「ゴミ ファイルは残さずアプリを完全アンインストールする:「Geek Uninstaller」の使い方」に関する解説を終わります。
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