Windows 11のフォト アプリ(Microsoft フォト)には、AI(人工知能)による画像背景の自動認識機能が取り入れられています。
自動認識機能により背景のぼかしや除去、背景を指定した色に置き換えることができます。
本記事では、Windows 11のフォト アプリで、背景のぼかしや除去、背景を指定した色に置き換える方法について解説いたします。
解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 23H2 OSビルド:22631.4169」で、フォト アプリ(Microsoft フォト)のバージョンは「2024.11070.31001.0」です。
ここからは「フォト」というアプリ名を使用して解説いたします。フォトは標準でWindows 11にインストールされていますが、見当たらない場合はMicrosoft Storeからインストール可能です。
フォトの基本的な使い方については、以下の関連記事をご参照ください。
更新履歴2024年9月25日:記述内容を全面改正 Windows 10と11には写真や動画の閲覧・編集管理アプリの「Microsoft フォト」(以下、フォトと呼称)が標準で準備されています。本記事では、「フォト」でできることや写真[…]
以下の画像はフォトを起動したときの初期画面です。
以下の画像は、編集画面切り替えタブの説明です。
1 写真の背景をぼかす手順
写真の背景をあたかも一眼レフ カメラで撮影したようにぼかすことができます。ごちゃごちゃした背景をぼかすことで写真の主役となる被写体が際立ち、表現したい主題が明確になります。
今回は、以下の写真の背景をぼかします。
- スタートメニューまたは「すべてのアプリ」一覧からフォトを開きます。
- ぼかしたい写真を選択します。
写真の選択方法は、左ペインにある「すべての写真」や「フォルダー」(赤枠内)などをクリックし、右ペインに表示された写真を選択します。
例えば「フォルダー」 ⇒ 「ピクチャ」(赤黄枠内)と進めて、右ペインに表示された写真をクリックしてチェックを付け、右上の「編集」アイコンをクリックすることで選択できます。 - 写真を選択すると、別ウィンドウで編集画面が開きます。
画面上部の「背景」タブをクリックします。 - 写真の背景が自動で認識され、青の斜線で表示されます。この画像では車以外はすべて背景として選択されているので、舗装道路部分もぼかされます。
画面下部に「成功!画像の背景が見つかり、選択されました。」と表示されます。
画面右には「ぼかし」「削除」「置換」の編集メニューが表示されます。
「ぼかし」をクリックします。 - 「ぼかし強度」スライダーが表示されます。
プレビュー画面を見ながらスライダーを左右に動かし、好みのぼかし度合いを調整します。
調整した状態でよければ、画面上部の「保存オプション」ボタンをクリックして、メニューの保存方法を選択します。
ここでは「コピーとして保存」をクリックしました。
「背景のリセット」をクリックするとやり直しができます。
さらに編集する場合は「背景ブラシ ツール」のトグルスイッチをオンにします。(後述) - 別ウィンドウで開かれたエクスプローラーで名前を付けて保存します。
- 編集した写真を開きてみましょう。
ご覧のように車以外はすべてぼかしが入っています。
道路部分もぼけているので不自然な写真になりました。この修正方法は後述しています。
- コピーとして保存
エクスプローラーが開き、任意のフォルダーに名前を付けて保存できます。
通常はこちらを選んで保存しましょう。
元の写真と同じフォルダーに保存するときは、別のファイル名で保存しないと上書きされるので注意が必要です。 - コピー
元の画像にすぐに上書き保存されます。元画像をそのまま残したい場合は、「コピーとして保存」を選択します。 - クリップボードに保存
編集した写真はクリップボードに保存されるので、後から画像編集アプリなどに貼り付けて利用できます。
1-1 背景ブラシ ツールの使い方
背景ブラシ ツールを使うと、背景の範囲を修正できます。上述の操作手順④の画像を引用して説明いたします。
上の写真では車以外はすべて背景として選択されているので、このままでは以下の画像のように舗装道路部分もぼかされます。
しかし、舗装道路部分を背景の対象としないで、元の画像のように明瞭に表したいときもあります。
このようなときに背景の範囲を修正するのが「背景ブラシ ツール」です。以下の手順で舗装道路部分だけ修正して、元の画像のように明瞭にしてみましょう。
- 上述の操作手順④の画面で「背景ブラシ ツール」のトグルスイッチをオンにします。
「マスクの追加」「マスクの削除」「ブラシのサイズ」「ブラシの柔らかさ」の4項目が表示されます。 - 道路部分を明瞭にしたいので「マスクの削除」をクリックします。(マスクとは背景部分)
プレビュー画面にマウスポインターを乗せるととブラシのサイズが表示されます。
ブラシサイズを見ながら「ブラシのサイズ」スライダーを動かして、任意の大きさにします。
ブラシの輪郭のぼかし具合は「ブラシの柔らかさ」のスライダーを動かして調整します。 - プレビュー画面でマウスポインターをクリックしたまま、削除したいマスク(背景部分)をなぞるように動かします。
マウスポインターを動かした部分だけ明瞭な画像になります。 - 編集が終わったら右上の「保存オプション」をクリックし、保存方法(ここではコピーとして保存)を選択して保存します。
- エクスプローラー画面が開きます。
今回は、元の画像の保存場所と同じピクチャ フォルダーに保存するので、ファイル名を変えて保存しました。 - 編集した写真を開いてみましょう。
背景はぼけて道路は明瞭になりました。 - 以上で背景ブラシ ツールの操作は完了です。
背景部分(マスク)を追加したい場合は「マスクの追加」ボタンをクリックし、上述と同じ操作で編集します。
2 写真の背景を削除する手順
- 上述した見出し「1 画像の背景をぼかす手順」の操作手順④まで進めます。
画面右上の「削除」をクリックします。 - プレビュー画面に背景部分が削除され透過した状態の画像が表示されます。
画面右上の「保存オプション」と保存方法を順番にクリックして、上述している手順で保存します。 - 保存する際の留意事項があります。
ファイルの種類は、透過情報をサポートしている「.png」「.tif」「tiff」のいずれかのファイル形式を選択することです。
「.jpg」で保存すると背景の透過はできなくなります。 - 背景を削除した写真を確認してみましょう。
透過された写真は、編集アプリなどで利用できます。
3 写真の背景を置き換える手順
写真の背景を置き換えるとは、背景を指定した色で塗りつぶす機能のことです。以下の手順で任意の色で塗りつぶしてみましょう。
- 上述した見出し「1 画像の背景をぼかす手順」の操作手順④まで進めます。
画面右上の「置換」をクリックします。 - プレビュー画面を見ながら、右に表示されたカラーピッカーで色を指定します。
カラーコードやRGBの数値でも指定可能です。
画面右上の「保存オプション」と保存方法を順番にクリックして、上述している手順で保存します。 - 背景を置き換えた写真を確認してみましょう。
以上で「Windows 11 フォト アプリ:写真の背景をぼかす・除去・置き換える方法」に関する解説を終わります。