Windowsは、システムの状態を「復元ポイント」という機能で自動又は手動で保存しています。「システムの復元」は、この復元ポイントを利用して、システム構成や設定を過去の状態に戻します。
システムを過去の状態に戻すことで、パソコンに発生している問題を解決できる可能性があります。
本稿では、Windows 11の「システムの復元」の概要と、システムを以前の状態に戻す方法について解説いたします。
解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 24H2」です。
復元ポイントの作成方法は、以下の関連記事をご参照ください。まず、この関連記事を一読してから本記事に目を通すことをお勧めします。
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アプリケーションのトラブルについては、以下の関連記事をご参照ください。
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1 システムの復元とは
Windows のシステムの復元とは、パソコンに問題が発生した際に、事前に作成済みの「復元ポイント」を利用して、システムを以前の状態に戻す機能です。
これにより、アプリケーションのインストールや設定変更などにより発生した問題をトラブルシューティングでき、システムを正常な状態に戻すことが可能です。
ただし、パソコンの動作が以前より遅くなったという問題は解消することはできません。このような問題の対処法については、以下の関連記事をご参照ください。
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システムの復元操作により、復元されるのは主にシステムファイルと設定情報、レジストリ、インストール済みのアプリケーション、ドライバーです。
ユーザーの個人データ(ドキュメント、画像、動画、音楽など)は影響を受けませんが、削除してしまった個人データは復元できません。これらのファイルを復元したい場合は、サードパーティの復元ソフトなどをお試しください。
システムの復元を実行する際の注意事項を以下に示します。
- 自分でインストールしたアプリケーションは概ね残りますが、復元ポイント作成後にインストールしたアプリケーションやドライバーは削除されるため、後から再インストールが必要です。
- 個人データやメールデータは影響を受けませんが、大切なデータは、システムの復元を行う前にバックアップを取っておくことをお勧めします。
- 復元ポイントを選択する場合は、可能な限りWindows の好調時に作成した復元ポイントを利用してください。
- 復元にかかる時間は、復元ポイントやPCのスペックにより異なりますが、かなりの時間を要します。余裕のある時に実行してください。(ノートPCで実行する場合は、ACアダプターを接続したほうが無難)
2 「システムの復元」の操作手順
システムの復元操作は、Windowsが起動しない状態からの実行と、Windowsが起動する状態から行う方法があります。
本章では、Windowsが起動する状態からシステムの復元を実行します。Windows が起動しない状態からのシステムの復元については、以下の関連記事をご参照ください。
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復元ポイントは作成済みであることを前提に操作手順を以下に示します。
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、コンテキストメニューの「設定」をクリックします。
- 設定画面が表示されます。
左ペインの「システム」と右ペインに表示された「バージョン情報」を順番にクリックします。 - バージョン情報が表示されます。
右ペインに表示された「関連リンク」欄にある「システムの保護」をクリックします。 - システムのプロパティ画面が表示されます。
画面上部の「システムの保護」タブが選択されていることを確認して「システムの復元」ボタンをクリックします。(注) - 「システムファイルと設定の復元」の画面が表示されます。
「次へ」ボタンをクリックします。
*過去にシステムの復元を実行したことがある場合は、上の画面は表示されず「システムファイルと設定を復元します。」という画面が表示されます。
その場合は「別の復元ポイントを選択する」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。 - 復元ポイント一覧が表示されます。
任意の復元ポイントを選択して「影響を受けるプログラムの検出」をクリックします。
(画面左下に「他の復元ポイントを表示する」が表示されている場合は、チェックマークを付けると過去に作成された復元ポイントがさらに表示されます) - 表示された「削除されるプログラムとドライバー」一覧の内容を確認して「閉じる」ボタンをクリックします。
削除されるプログラムやドライバーは、復元完了後に再インストールします。(ドライバーはPCを再起動すれば自動でインストールされるものが多い) - 手順⑥の画面に戻り、対象の復元ポイントが選択されていることを確認して「次へ」ボタンをクリックします。
- 復元ポイントの確認画面が表示されます。
正しく復元ポイントが選択されていることを確認して「完了」ボタンをクリックします。 - 最終確認画ダイアログが表示されます。
「はい」ボタンをクリックします。 - 「システムの復元の準備をしています」のメッセージが表示され、復元が始まります。
- システムの復元が終わるとパソコンは自動的に再起動します。
- 再起動が終わり、正常に復元できた場合は「システムの復元は正常に完了しました。・・・・」というダイアログが表示されます。
復元に失敗すると「システムの復元は正しく完了しませんでした。・・・・」というダイアログが表示されます。この場合は、別の復元ポイントでの復元を試してください。
「閉じる」ボタンをクリックします。 - 以上でシステムの復元操作は完了です。
以上で「Windows 11の設定:システムの復元操作で問題が発生したPCを改善する方法」に関する解説を終わります。
Windows 11の設定や使い方などについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。
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