日常的に使いながらも、分かっているようで説明しづらいのがWindowsで使うユーザーアカウント【user account】です。
本稿では、Windowsで使う「ユーザーアカウント」の概要と、その種類及び権限を確認する手順について解説いたします。解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 25H2」です。
Microsoftアカウントを作成する方法については、以下の関連記事をご参照ください。
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1 ユーザーアカウントの概要
ユーザーアカウントとは、パソコンやネットワークにアクセスする人が本人かどうかを識別するための情報と権限がセットになったもので、単にアカウントと呼ぶこともあります。
インターネットサービスやコンピュータシステムを利用する際、個人を識別し、安全にサービスを提供するためにユーザーアカウントは必須です。
アカウント登録がないと、多くのサービス(ECサイト、SNSなど)を利用できないことが一般的です。
ユーザーアカウントは、主にユーザー名とパスワードから構成され、ユーザーアカウントによって、パソコンの設定やネットワークなどの特定の領域にログインすることができます。
では、ユーザーアカウントの主な役割にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 本人認証
ユーザー名とパスワードを用いて、システムを利用する人が登録された本人であることを確認します。 - アクセス制御
許可されたユーザーのみが特定のファイルや機能にアクセスできるよう、権限を管理します。 - 個人設定の保存
ユーザーごとの設定(壁紙、デスクトップのレイアウト、インストール済みのアプリなど)を保存し、利用者を区別します。
1台のパソコンを複数の人で共有する場合は、個別にユーザーアカウントを作成するとプライバシーを確保できます。 - セキュリティ
他人のなりすましを防ぎ、情報漏えいや不正アクセスを防止するための基本となります。
2 ユーザーアカウントの種類とは
Windowsにおけるユーザーアカウントには、大きく以下に示す2種類があり、それぞれに異なる特徴を有しています。作業する環境に合わせてどちらかを選択したらよいでしょう。
- Microsoftアカウント(オンライン型)
Microsoftアカウントとは、Microsoftが提供する様々な製品やインターネット サービスにアクセスするために必要な、無料の個人用アカウントです。このアカウントでサインインすることで、複数のデバイスで個人設定やファイルを同期できます。
Windows 11のインストール時は、Microsoftアカウントが必要です。
どちらかというと、複数のWindowsデバイスやMicrosoftサービス(OneDriveやOutlookなど)を連携させたい方向けのアカウントです。つまり、インターネット接続もほぼ必須になります。 - ローカルアカウント(オフライン型)
ローカルアカウントとは、作成したパソコン固有のアカウントであり、そのパソコン内でしか使えないアカウントです。
インターネットに接続されていなくても作成できるアカウントで、クラウド同期や Microsoft のオンラインサービスとの連携はできません。
オフラインベースなので、アカウント情報をクラウド上に置きたくない場合やプライバシー重視の運用に向いています。
ユーザーアカウントの種類を確認する手順
現在Windows 11にサインインしているユーザーアカウントの種類を確認する手順を以下に示します。
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、クイックリンクメニューの「設定」をクリックします。
- 設定画面が表示されます。
左ペインの「アカウント」をクリックします。 - 右ペイン上部に表示されているユーザー名の下の表記を確認します。
メールアドレスが表示されている場合は、Microsoftアカウントでサインインしています。
ローカルアカウントと表示されている場合は、ローカルアカウントでサインインしています。 - 以上で操作は完了です。
3 ユーザーアカウントの権限とは
Microsoftアカウントおよびローカルアカウントには、それぞれに権限が割り当てられています。権限とは、コンピュータやシステム上で実行できる操作の範囲やレベルを定めたものです。
これにより、システムやデータへの安全なアクセスを制御してセキュリティを維持します。
その権限には「管理者」と「標準ユーザー」という2種類の権限名があり、どちらかの権限が自動で割り当てられます。状況に応じて手動で権限を変更することも可能です。
「管理者」はシステム全体の設定変更やファイル操作など、すべての操作が可能な最も強力な権限です。
一方、「標準ユーザー」は、日常的な作業を実行するための一般的な権限で、他のユーザーやセキュリティに影響しない範囲の操作に限られます。
Windowsをインストール時に作成したユーザーアカウントは、「管理者」権限が付与されます。す。
後から追加したユーザーアカウントは「標準ユーザー」権限が付与されます。また、ユーザーアカウントの権限は、アカウント作成後に変更することができます。
ユーザーアカウントの権限を確認する手順
- タスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、クイックリンクメニューの「設定」をクリックします。(画像は前述と同じであるため省略)
- 設定画面が表示されます。
左ペインの「アカウント」をクリックします。(同上) - 右ペイン上部に表示されたユーザー名の下部にある表記を確認します。
「管理者」権限が割り当てられている場合は「管理者」と表記されます。
「標準ユーザー」権限が割り当てられている場合は何も表記されません。 - 以上で操作完了です。
以上で「Windowsで使う「ユーザーアカウント」とは?:その概要と種類、権限を確認する手順」に関する解説を終わります。
ユーザーアカウントを切り替える方法については、以下の関連記事をご参照ください。
ユーザーアカウント名の確認と変更方法については、以下の関連記事をご参照ください。
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