多くのユーザーが利用するメッセージ アプリのLINEですが、初期設定のまま使っている人もいるのではないでしょうか。
LINEを導入するのはいたって簡単なことですが、初期設定を変更しないで利用している場合は、個人情報が流出する可能性が高まります。
実際にLINEヤフーでは、2021年3月は個人情報管理の不手際、2023年11月には約44万件の個人情報漏えいという失態がありました。
自分の身は人任せにしないで自分で守らねばなりません。
本記事ではLINEアプリのプライバシー管理の設定を見直して、個人情報の流出を最小限に抑える方法を解説いたします。
今回の設定の見直しは、すべて「プライバシー管理」画面から行います。
解説に使用したデバイスは「Google Pixel 7a Android 15」、LINEアプリのバージョンは「14.18.1」です。
なお、iPhoneにおいても、ほぼ同じ手順で設定できます。
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1 プライバシー管理の開き方
- LINE アプリを起動します。
- 画面下部の「ホーム」タブが選択されていることを確認して、右上の「設定」(歯車アイコン)をタップします。
- 設定画面が開きます。
「プライバシー管理」をタップします。 - 「プライバシー管理」画面が開きます。
以降の操作は、この「プライバシー管理」画面から実行します。
2 Letter Sealing(レターシーリング)の確認
「プライバシー管理」画面で必ず確認する項目が一つあります。それは「Letter Sealing」という機能がオンになっているかどうかです。
Letter Sealing(レターシーリング)とは、トークルームのメッセージを暗号化してLINEのサーバーに保存し、トークルームの参加者以外の人やLINEサービスにトークの内容が分からないようにする重要な機能です。
このトグルスイッチはオンになっており、セキュリティ保護のためオフに切り替えることはできません。
本機能を自分だけオンにしていても効果はありません。友だちもオンでなければ暗号化されないのです。
バージョンの古いLINEアプリを使用している場合はオフにできることもあるので、やり取りする友だちの設定を確認してもよいかと思います。
ここからは「プライバシー管理」内の「情報の提供」に関する設定確認と変更手順をご紹介いたします。
3 「情報の提供」項目の設定手順
「プライバシー管理」の設定項目の一つに「情報の提供」があり、5項目について設定が可能です。
これらのほとんどは「あなたの情報をいただき、利用することもありますよ。よろしいですか?」と、同意を求める設定なのです。
初期設定では「情報の削除」以外のトグルスイッチはすべてオンになっていることと思います。
つまり、このままでは皆さんの個人情報は、自動的にLINEヤフー サービスに提供されることになるのです。
まず、以下の手順で「情報の提供」画面を開いて設定を見直しましょう。
- 上述の「プライバシー管理」画面を開きます。
- 画面をスクロールして、「情報の提供」をタップします。
- 「情報の提供」画面が開き、以下の5項目が表示されます。
「コミュニケーション関連情報」
「位置情報の取得を許可」
「LINE Beacon」
「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」
「情報の削除」
個人情報を提供したくない場合は、「情報の削除」以外の、4項目すべてをオフにすることですが、アプリの使用環境はユーザーにより異なります。
よって、各項目の詳細情報を確認してオンまたはオフを設定してください。
以下に5項目の内容を示します。
3-1 「コミュニケーション関連情報」とは?
「コミュニケーション関連情報」をオンにすると、以下の情報が収集されたり、ユーザーの関心ごとに合致したコンテンツや広告が表示されることもあります。
- トークルームにおける情報
スタンプ、絵文字、エフェクト フィルターなどの情報が収集されます。
トークの相手、日時、既読、データ形式、URLへのアクセスなどの利用状況などが収集されます。 - 公式アカウントとのトーク
公式アカウントというのは、企業などが宣伝用に公開しているアカウントのことで、友だちとは関係ありません。
公式アカウントとのトークルームにおいては、トークの内容はすべて収集されます。 - 無料通話における情報
無料通話による通話内容は収集されませんが、通話相手や利用日時、通話時間の情報は提供されます。 - LINE VOOMにおける情報
自分のみが閲覧できる投稿については、投稿日時やスタンプ、コンテンツのデータ形式などが収集されます。
これらの情報を収集して、不正利用の防止やサービスの改善などに利用するそうです。
なお、友だちとのテキストや画像、動画などのトーク内容と、通話内容は含まれません。
詳細は「コミュニケーション関連情報」の「利用する情報の詳細はこちら」をご覧ください。
3-2 「位置情報の取得を許可」とは?
「位置情報の取得を許可」がオンの状態でLINEアプリの画面が表示されている場合は、端末の位置情報と移動速度が収集されます。
収集した位置情報を利用して、出張や旅行などの滞在先のお店などの広告を配信したり、ユーザーのレストラン、ホテルなどの予約や、クーポンの使用履歴を通じで特定の場所への関心の判断材料とするそうです。
ただ、大規模災害発生時の緊急速報や、急な天候の変化に関するお知らせは通知されるので、そのような事象が予想される場合は、一時的にオンにしてもよいかと思います。
本設定がオンになっていても端末の位置情報がオフの場合は、位置情報や移動速度は収集されません。
本設定がオフでも、端末の位置情報がオンであれば位置情報を利用した各サービスは利用できます。
詳細は「位置情報の取得を許可における位置情報の取り扱い」をご覧ください。
3-3 「LINE Beacon」とは?
「LINE Beacon」とは、ビーコンと呼ばれるBluetooth発信機器からのLINE向けの信号を受信する機能です。
ショップなどに設置されたビーコンを通じてお得、便利な情報やサービスなどを受け取ることができる機能です。
ビーコンとの接触情報を通じて、ユーザーの訪問場所を推定されることもあるようです。本機能を利用しない場合は、オフにしておきましょう。
詳細は「LINE Beaconの情報の取扱い詳細」をご覧ください。
3-4 「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」とは?
「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」をオンにすると、AI利用LINE公式アカウントに送信、または受信したトーク内容がその都度AI(アメリカなど)に送信されるそうです。
送信されたトーク内容はAIモデルの学習には使用されません。
3-5 情報の削除手順
LINEが取得した情報の一部は「情報の削除」項目から削除することもできます。
- 「情報の提供」画面最下部の「情報の削除」をタップします。
- 表示された画面の「削除」ボタンをタップします。
- 情報の一部は削除されました。
以上で「プライバシー管理」内の「情報の提供」に関する設定確認と変更手順のご紹介は終わります。
ここからは、同じく「プライバシー管理」内の「広告の設定」に関する設定確認と変更手順をご紹介いたします。
4 「広告の設定」項目の設定手順
本設定をオンにすると、ユーザーのWeb上の行動履歴に基づき、興味や関心ごとに合うような追跡広告が表示されるというものです。
自身のネットワーク上の履歴を利用されるので設定オフが望ましいでしょう。
「広告の設定」からは、以下2項目のオン・オフの切り替えができます。
以上で「LINE アプリのプライバシー管理:初期設定を見直し個人情報を保護する」に関する解説を終わります。
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