USBメモリーにパスワードを設定 データの漏えいは暗号化ソフトで防止できる

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仕事などでUSBメモリー(USBフラッシュドライブ)を日常的に持ち歩く人もいるかと思います。そのUSBメモリーの中には重要なデータが目いっぱい詰まっているかもしれません。

USBメモリーの置忘れや紛失により、業務上の情報や個人情報が流出した事例はよく耳にします。多くの人は大切なUSBメモリーを安全に持ち運びたいと考えているのではないでしょうか?

本記事では、USBメモリーのセキュリティ機能と、ファイル暗号化ソフトの概要について解説いたします。

ファイル暗号化ソフトの使い方については、以下の関連記事でご紹介しています。

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今回ご紹介するファイル暗号化ソフトは、Windows 11及びWindows 10に対応しています。

解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 22H2」です。

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1 USBメモリーのセキュリティ機能について

まずUSBメモリーに搭載されているセキュリティ機能についてご紹介いたします。現在市販されているUSBメモリーには、ファイル暗号化などのセキュリティ機能付きの製品が多くなりました。

例えば、以下のようなセキュリティ機能付きUSBメモリーがそれです。

  • パスワードロック機能付きUSBメモリー
    USBメモリー本体やファイルにパスワードを設定することで、第三者からの不正アクセスを防止できます。

    暗号化ソフトを使うのが主流ですが、暗証番号を押すボタンが付いている製品もあります。

  • ウィルスチェック機能付きUSBメモリー
    コンピューターウィルスに感染しているパソコンとUSBメモリーを接続すると、USBメモリーもウイルスに感染します。

    そのUSBメモリーをパソコンに接続すればパソコンが感染します。

    ウィルスチェック機能付きのUSBメモリーは、コンピューターウィルスの検知や隔離、除去などを自動で行い、セキュリティ上のリスクを軽減します。

  • 指紋認証機能付きUSBメモリー
    指紋認証機能搭載の製品は、パスワードを入力する手間を省くことができます。

    スマホのロック解除機能と同様に指紋認証することで、簡単にロックを解除します。

  • 自動暗号化機能付きUSBメモリー
    USBメモリーに保存されたファイルをUSBメモリーが自動で暗号化します。

    暗号化されたファイルに第三者はアクセスすることはできません。

  • 物理的ロックツール
    物理的な鍵のようなもので、USBメモリーの端子を物理的にロックする番号付きのグッズです。

    端子を挿入してロックすると、ダイヤルで数字を合わせない限り、端子を抜き取れずUSBメモリーを利用できなくなります。

しかし、これらはいずれも高価な製品であり導入する際のネックとなっています。その代替としてWindowsの標準機能やファイル暗号化ソフトを使えば、安価で一般的なUSBメモリーでもデータの流出を防止することができます。

それが以下のようなWindows標準機能の「BitLocker」と「USBメモリー メーカーのファイル暗号化ソフト」及び「無料版ファイル暗号化ソフト」です。

2 BitLocker

  • 「BitLocker」は、Windows 11と10に標準搭載されているドライブ暗号化機能です。 HDDやSSD、USBメモリー 、リムーバルHDDなどのデバイス丸ごと暗号化できます。

    「BitLocker」の暗号化機能は非常に強力です。パソコンの紛失や盗難に遭遇してもデータへの不正アクセスは防止できます。

    ただし、回復キーが分らなくなるとWindowsは使用できなくなるので、使い方には十分留意する必要があります。

    Windows 11 ProまたはWindows 10 Proをお使いの人はこちらを利用するのが最もお手軽な方法です。Windows Homeでは利用することはできません。

3 USBメモリー メーカーのファイル暗号化ソフト

USBメモリー製品メーカーの多くは、以下のような自社USBメモリーを対象としたファイル暗号化ソフトのサービスを行っています。

いずれのソフトも機能は似ており、パスワードを設定することでUSBメモリーに保存されているデータにアクセスできなくなります。

  • エレコム・・・ 「PASSxAES」
    「PASSxAES」は、エレコム社USBメモリー用のセキュリティソフトです。登録された3台までのパソコンにUSBメモリーを接続すると、設定されているパスワードを入力しなくても自動認証してくれます。

    「PASSxAES」の使い方は以下の関連記事をご参照ください。

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  • IO DATA・・・ 「QuickSecureAES256」
    「QuickSecureAES256」は、IO DATA社USBメモリー用のセキュリティソフトです。パソコンにインストールする必要はなく、ドラッグ&ドロップ操作でファイルの暗号化や復号ができます。

    暗号化されたファイルは、外出先でもUSBメモリー内の「QuickSecureAES256.exe」を利用することで、ファイルの閲覧や編集も可能です。

  • SanDisk・・・ 「SanDisk SecureAccess」
    「SanDisk SecureAccess」は、SanDisk社が提供するセキュリティソフトです。パスワードで保護された領域を作成し、重要なファイルやデータを安全に保存できます。

    このソフトウェアを使うことで、第三者がUSBドライブや外部ストレージデバイスにアクセスできなくなり、データを安全に保護できます。

  • キオクシア・・「SecuritySoftware.exe」
    「SecuritySoftware.exe」は、キオクシア者が提供するUSBメモリー用のセキュリティソフトです。USBメモリー内のファイルをパスワードで保護し、第三者からの不正アクセスからデータを守ります。

  • BUFFALO・・・「SecureLock Mobile2」「Secure Lock Ware」
    SecureLock Mobile2」「Secure Lock Ware」いずれもBUFFALO社のドライブや各種メディア全体またはファイルを暗号化するセキュリティソフトです。

    「Secure Lock Ware」はアップデートが止まっているようにも思えます。

これらはいずれも無料で利用できますが、データ暗号化ソフトに未対応のUSBメモリーもあります。

無料版のファイル暗号化ソフトとは違い、USBメモリーの容量制限はないので、対応する製品を使っている場合はメーカー製のファイル暗号化ソフトの導入を検討しても良いかもしれません。

4 無料版ファイル暗号化ソフト

いわゆるサードパーティーのファイル暗号化ソフトのことで、有料版、無料版ファイル暗号化ソフトは豊富にあります。

無料版については、対応するUSBメモリーの容量は4GBまでのものが多いようです。それ以上のUSBメモリーの暗号化は有料版に切り替える必要があります。

ここでは無料で利用できるソフトの一部をご紹介いたします。気に入ったソフトがあれば一度お試しください。

  • セキュリティ・ウェアハウス-mini
    「セキュリティ・ウェアハウス-mini」は、無料のデータ暗号化ソフトで、ファイルを強力な暗号アルゴリズム(AES)で保護します。権限のないアクセスからファイルを保護します。

    操作画面は非常にシンプルで暗号化や複合に戸惑うことはありません。本ソフトの有償版ソフト名は「セキュリティ・ウェアハウス」であり、ライセンスの購入が必要です。

    無料版は4GBまでの容量に対応しています。

  • USBメモリのセキュリティ
    「USBメモリのセキュリティ」は、USBメモリーのデータをパスワードで保護するセキュリティソフトで、USBメモリーに暗号化機能(AES256)を追加してデータの漏洩を防止します。

    個人用としては無料で利用でき、USBメモリーの容量は4GBまで対応しています。個人向け有償製品版は対応容量により4つのライセンスがあります。

  • アタッシェケース4
    「アタッシェケース4」は、高機能であるにもかかわらず非常に使いやすいデータ暗号化ソフトです。

    日本発のデータ暗号化ソフトで個人利用の場合は無料で利用できます。商用利用の場合は1ユーザー550円(税込)です。

    使用OSが32bit版は4GBまでの容量に対応しています。

    データの暗号化と復号が非常に簡単で、ファイルをドラッグ&ドロップして、パスワードを入力すればOKです。

    暗号化ファイルを実行形式(.exe)で出力できるため、本ソフトがなくても暗号化ファイルを解除できます。

  • VeraCrypt
    「VeraCrypt」 は、オープンソースのディスク暗号化ソフトウェアで、ファイルやパーティションの暗号化や、ストレージ全体が暗号化された仮想暗号化ドライブを作成できます。

    VeraCrypt を使用すると、暗号化された仮想ドライブ(秘密ディスク)を作成したり、ストレージを丸ごと暗号化してパスワードをかけることができます。

    無料で利用可能ですが、他のソフトと比較すると設定や操作手順は少し複雑になります。

  • USB Lockit
    「USB Lockit」
    は、USB ドライブのセキュリティを高めるソフトで、USBドライブをロックすることで不正アクセスからデータを保護します。
    USB Lockitを使用すると、USBフラッシュドライブや外部ハードドライブなどのUSBデバイスに、パスワード保護を追加できます。

    パスワード保護を追加することでUSBドライブの中身を見えない状態にすることができます。

    対応するUSBドライブはFAT32またはexFATでフォーマットされていなければなりません。

    「USB Lockit」の使い方は以下の関連記事をご参照ください。

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以上で「USBメモリーにパスワードを設定 データの漏えいは暗号化ソフトで防止できる」に関する解説を終わります。

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