Windows 10や11でフリーソフトなどのアプリをインストールする際、大きく「インストール版」と「ポータブル版」という2つの形式を選択できます。
それぞれ特徴と利用方法に違いがあり、それに合わせた形式でインストールすると効率的にアプリケーションを利用できます。
本稿では、Windows 11 アプリケーションの「インストール版」と「ポータブル版」の違い、選び方及びインストール手順について解説いたします。
解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 24H2」です。Windows 11のアプリケーションについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。
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1 「インストール版」と「ポータブル版」の違い
アプリケーションの「インストール版」と「ポータブル版」は、ソフトウェアの利用形態により区別しています。
「インストール版」は、ソフトウェアをコンピュータにインストールして使用する形式で、レジストリやシステムファイルなど、コンピュータに設定情報を残します。
「ポータブル版」は「圧縮型」あるいは「ZIP型」とも言い、インストール作業を必要とせずUSBメモリなどにコピーして持ち運び、他のパソコンでそのまま実行できる形式です。
同じアプリケーションで双方の形式を選択できることサイトもあれば、どちらか片一方だけを提供するサイトもあります。
双方のアプリが表示された場合の見分け方は、ダウンロードファイルに「インストーラー」あるいは「(setup.exe」などと表記されているならインストール型と判断できます。
「ポータブル版」(portable)や「ZIP」などと表記されていればポータブル型(圧縮型)です。
双方の主な特徴を以下に示します。
項 目 | インストール版の特徴 | ポータブル版の特徴 |
セットアップ方法 | インストーラーを使ってPCに導入する | インストール不要でZIPファイルなどを解凍するだけで使用可能 |
保存場所 | Program Filesなどシステムで決められた場所 | 任意のフォルダ(USBメモリなどにも可) |
PC環境への影響 | レジストリやシステムフォルダに情報を書き込む | 原則として自己のフォルダ内で完結し、PC環境を汚さない |
アプリの持ち運び | 不可 | USBメモリなどに入れて簡単に持ち運べる |
他のPCで利用の可否 | 再インストールが必要 | そのまま他のPCでも利用できる(設定も維持される) |
アンインストール | コントロールパネルなどから行う必要がある | フォルダごと削除するだけ |
アップデート | 自動更新機能がある場合が多い | 手動で新しいバージョンをダウンロード・上書きする必要があることが多い |
権限 | 管理者権限が必要なことが多い | 権限不要で動作することが多い |
以上のような特徴から、どちらの形式を選んだらよいのかはおのずと決まってきます。
2 どちらの形式を選んだらよいのか?
普段から同じパソコンを使う機会が多い場合や、アプリを自動更新または更新の通知を受け取りたいユーザーは「インストール版」を選択。
USBに入れて持ち運びし、複数のパソコンで使う場合や、システムの変更やレジストリを汚したくないユーザーは「ポータブル版」を選択したらよいでしょう。
3 それぞれのインストール手順
3-1 インストール版をインストールする手順(一例)
インストール版アプリは、EXE形式やMSI形式のインストーラーを使って導入しますが、どちらを選んでも問題はありません。
具体例としてフリーソフトのPDF編集アプリ「CubePDFUtility」をインストールする手順をご紹介いたします。
他のアプリもほぼ同様の手順でインストールできます。
- 提供元サイトにアクセスして、インストーラー(.exeや.msi)をダウンロードします。
- ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックします。
- 「ユーザーアカウント制御」画面が表示されたら「はい」ボタンをクリックします。
- 表示されたウィザードの指示に従い操作を進めます。
使用許諾契約書の同意やインストール先フォルダの指定といった画面が表示されます。 - インストールが完了すると、デスクトップにショートカットが作成されることもあります。
- ショートカットやスタートメニュー一覧からアプリを起動できます。
- 以上で操作完了です。
「EXE形式」とは、いわゆる実行ファイル形式と言われるもので、一般向けの多くのフリーソフトやアプリケーションで採用されています。
「MSI形式」とは、Windowsに標準で備わっている「Windows Installer」という仕組み(サービス)を利用する形式です。アプリケーションに必要なファイルや設定情報、インストール手順などをまとめてパッケージ化しています。
3-2 ポータブル版をインストールする手順(一例)
具体例として、システムの主要なデバイスに関する情報を収集するアプリ「CPU-Z」を、USBメモリにインストールする手順をご紹介いたします。
- 提供元サイトにアクセスして「.zip」や「.7z」形式の圧縮ファイルをダウンロードします。
- ダウロードした圧縮ファイルを右クリックし、コンテキストメニューの「すべて展開」をクリックするか、コマンドバーの「すべて展開」をクリックします。
- 圧縮フォルダーの展開先が表示されます。
USBメモリに保存して持ち運びたい場合は「参照」ボタンをクリックします。(事前にUSBメモリをPCに挿入すること)
それ以外は「展開」ボタンをクリックします。(手順⑥の実行ファイルをダブルクリックに進む) - 展開先を選択する画面が表示されます。
「USBドライブ」(ここではE:))を選択して「フォルダの選択」ボタンをクリックします。 - USBドライブが展開先として指定されます。
「展開」ボタンをクリックします。 - USBメモリに解凍されたファイルが保存されます。
実行ファイル(32.exeまたは64.exe)をダブルクリックします。(Windows 11は64.exeを選択) - 「ユーザーアカウント制御」画面が表示された場合は「はい」ボタンをクリックします。
- CPU-Zアプリが起動します。
- 以上で操作完了です。
以上で「Windows 11の操作:アプリケーションは「インストール版」か「ポータブル版」どちらをインストールする?」に関する解説を終わります。
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