外出先や旅先では多くの人がスマホなどのデバイスから公衆無線LANを利用しています。基本的に無料でインターネットへ接続できる本サービスは、「フリーWi-Fi」「無料Wi-Fi」「Wi-Fiアクセスポイント」などとも呼ばれています。
便利に活用できる反面、使い方や設定方法を誤るとセキュリティ上のリスクが生じることもあります。
そこで本稿では、Andoroidスマホによる安全な公衆無線LANの利用方法について解説いたします。
さまざまな呼び名があるサービスですが、本稿では「公衆無線LAN」という名称で説明いたします。
解説に使用したデバイスは「Google Pixel 7a Android バージョン 15」です。
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1 公衆無線LANの危険性
公衆無線LANは、カフェや駅、空港、商業施設などで無料(あるいは会員登録など簡易な手続きのみで)利用できる無線LANサービスです。
スマホなどのデバイスから、データ量を気にすることなくインターネットへ接続できるのですから至極便利なサービスです。
しかし、便利な本サービスには以下に示すような危険性が潜んでいることをご存じでしょうか。これらのポイントを押さえることで、公衆無線LAN利用時のリスクを大幅に低減できます。
- 通信内容を傍受(盗聴)される
暗号化されていないWi-Fiネットワークでは、第三者がユーザーの通信内容を傍受し、閲覧することができます。これにより、入力したIDやパスワード、クレジットカード情報などの個人情報が盗まれる可能性があります。 - 不正にアクセスされる
同じネットワークに接続している第三者から、ユーザーの端末に不正にアクセスされる可能性があります。これにより、端末内のデータが盗まれたり、改ざんされたりする恐れがあります。 - なりすましの可能性がある
悪意のある第三者が、正規のアクセスポイントになりすまして偽のWi-Fiネットワークを設置し、接続してきた利用者の情報を盗み取ることがあります。 - マルウェアに感染する
不正なアクセスポイントや悪意のあるサイトを通じて、ユーザーの端末がマルウェアに感染する可能性があります。
これらの危険性を避けるために、以下に示す対策を講じることが推奨されます。
2 公衆無線LAN利用時の安全な対策法
- VPN(Virtual Private Network:仮想プライベート ネットワーク)を利用する
VPNはトラフィックを暗号化し、通信内容の盗聴防止を図れます。最も効果的な対策法なので積極的に利用します。
無料と有料のサービスがありますが、可能な限り有料サービスの利用を推奨します。VPNサービスを提供しているプロバイダーもあります。
なお、スマホのGoogle Pixel 7以降にはVPN機能が搭載されています。 通信の暗号化有無を確認する
暗号化(WPA2/WPA3など)されていないオープンネットワークでは、通信内容が第三者に盗み見される恐れがあります。
できるだけ、暗号化あり(鍵マーク付き)のSSIDを選ぶか、最低限でもHTTPS接続を徹底します。- 重要情報の送受信は控える
ネットバンキングやクレジットカード情報、パスワード入力が必要なサイトへのログインは極力避けるか、VPNを通じて安全性を強化します。 - なりすましAP(偽SSID)に注意する
正規のSSIDに似せた悪意あるアクセスポイントが存在します。接続前に提供元の案内板やお店のスタッフにSSID名を確認する習慣をつけます。 自動接続設定の管理
「前回接続したSSIDに自動で再接続」の設定は便利ですが、知らないうちに公衆無線LANに繋がり、意図しない通信漏洩が起こる場合があります。
普段はWi-Fiをオフにするか、自動再接続を無効にしておきます。ウイルス対策ソフトの活用と更新
公衆無線LANは不特定多数が使うため、端末への侵入リスクが高まります。ウィルス対策ソフトの積極的な活用と、OSや ソフトウェアを最新な状態に保ちます。- 適正なファイル共有設定を行う
公衆無線LANに接続中は、ファイル共有設定を無効にしておきます。
以上の対策を講じることでセキュリティ上のリスクを管理しつつ、外出先でも安全なネット環境を楽しめるでしょう。
3 公衆無線LANの使い方(基本)
本章では、Andoroidスマホによる公衆無線LANの一般的な使い方について説明いたします。詳細な使い方については、ご契約のフリーWi-Fi スポットサービスやプロバイダーをご確認ください。
今回は「Google Pixel 7a」を使って説明しますが、ご使用の機種により表示内容や操作手順が異なります。
- Andoroidスマホの「設定」アプリを起動します。
- 設定画面が表示されます。
「ネットワークとインターネット」をタップします。 - 「インターネット」をタップします。
- 接続可能なネットワーク(SSID)が表示されます。
接続したいネットワーク(SSID)をタップします。(カフェやお店などのステッカーに記述されているネットワーク名をしっかりと確認)
一例として「スターバックス」のネットワーク(SSID)をタップしました。 - スターバックスのSSIDは暗号化されていないので「鍵」マークは付いておらず、パスワードを入力しなくても自動的に接続されます。
- 暗号化有りの場合はパスワードを入力します。(各Wi-Fiスポットサービスなどを参照)
- ポータルサイトに移行しユーザー認証を実行します。(各Wi-Fiスポットサービスなどを参照)
- 接続完了し、インターネットへアクセス可能になります。
以下はGoogle VPNがオンの状態を示しています。

以上で「公衆無線LANの設定:AndoroidスマホでフリーWi-Fiを安全に利用する方法」に関する解説を終わります。
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