個人のさまざまな財産がびっしりと詰まったスマートフォンは、日常生活に不可欠なデバイスであり、これをなくすことは正に緊急事態です。
大切なスマートフォンを万が一なくした場合の備えはできているでしょうか。たとえ紛失したとしても、準備が万全ならばステップを踏んで対処すれば被害は最小限に抑えられます。
紛失する前の備えとして、以下に示す関連記事を参考にあらかじめ設定を見直しておくことをお勧めします。
インターネット サービスのアカウントや撮った写真などの個人情報、あるいは電子マネー、クレジットカードといった決済情報など、スマートフォンには大切な金融資産で溢れています。万が一、紛失や盗難などに合うと大ピンチに陥ります。しかし、このような[…]
本稿では、Androidスマートフォンをなくした場合の対処法について、パソコンのGoogle Chromeブラウザを使用して解説いたします。
なお、本記事は上述の関連記事を基準として、以下に示す事項について記述しています。
- 「デバイスを探す」機能の利用手順
- 「おサイフケータイ」の利用停止手順
解説に使用したデバイスは「Windows 11 Pro 24H2」と「Google Pixel 7a Android 16」、ブラウザは「Google Chrome バージョン 141.0.7390.66」です。
Androidスマートフォンのデバイスのロックについては、以下の関連記事をご参照ください。
Androidスマートフォンの「盗難保護」とは、スマートフォンが盗難された際に、データへの不正アクセスを防いだり、デバイスをリモートからロックしたりする機能の総称です。盗難検出ロック、オフラインデバイスロック、リモートロックといった機能が[…]
1 「デバイスを探す」機能を利用する手順
Googleの「デバイスを探す」機能は「Find Hub」とも呼ばれ、なくしたスマートフォンの位置を特定したり、遠隔操作により「音を鳴らす」「データの保護と消去」といった緊急的な対処を実行することができます。
スマートフォンを紛失した際は、まず「デバイスを探す」機能を利用することがデバイスを守るための第一歩です。
「デバイスを探す」機能で、紛失したスマホに対してできることを以下に示します。これらの機能は、他のデバイスからすべて遠隔操作で実行します。
- スマホの現在地を地図上で表示できる
- スマホの着信音を鳴らすことができる
- スマホをロック(保護)することができる
- スマホのデータを消去(リセット)することができる
ただし、以下に示す条件を満たしていない場合は「デバイスを探す」機能は利用できません。日頃から設定状況を確認することをお勧めします。
- デバイスの電源が入っており、モバイルデータ通信または Wi-Fi に接続されていること
- 紛失したスマートフォンと、操作するデバイスが同じGoogle アカウントにログインしていること
- スマートフォンの位置情報がオンになっていること
- 「デバイスを探す」機能がオンになっていること(通常は自動的にオンになっていますが、必ず確認すること)
- Google Playでデバイスが表示されていること
Chromeなどのブラウザを開き、Googleアカウントにログインした状態から「https://play.google.com/library/devices」にアクセスします。
開いた画面にデバイスが表示されており「メニューに表示する」にチェックが入っていること。
Google Pixelなど一部のAndoroidスマートフォンには、電源が入っていなくても(オフラインの状態)デバイスの位置を特定できる機種もあります。
ここからは「デバイスを探す」(Find Hub)機能を利用して、なくしたスマートフォンの位置の特定や音を鳴らすなどの対処手順を以下に示します。使用したブラウザはGoogle Chromeです。
1-1 スマートフォンの現在地を確認する手順
紛失したデバイスが接続しているWi-Fiやモバイルデータ、バッテリー残量、そして現在地をマップ上で確認できます。
- Chromeなどのブラウザを開き「google.com/android/find 」にアクセスします。
Googleアカウントにログインしていない場合はログインします。 - 「Google Find hub」画面が開きます。
探したいデバイス名をクリックします。一例として「Google Pixel 7a」を選択しています。 - デバイスの検知が始まり、検知すると紛失デバイスに以下のような通知が送信されます。
- 「Google Find hub」の地図にはデバイスの現在地が表示されます。
この表示を頼りになくしたデバイスを探します。 - 以上で操作完了です。
1-2 スマートフォンの音を鳴らす手順
スマートフォンが家の中や事務所内など、近くにあると予想されるなら着信音を鳴らして見つけます。
デバイスがマナーモードまたはバイブレーション モードになっていたとしても、 5 分間着信音を鳴らすことができます。
見つからないスマートフォンで着信音を鳴らす・停止する手順を以下に示します。
- Chromeなどのブラウザを開き「google.com/android/find 」にアクセスします。
- 「Google Find hub」画面が開きます。
音を鳴らしたいデバイス名をクリックします。一例として「Oppo Reno3A 」を選択しています。 - デバイスが検知されます。
「音を鳴らす」ボタンをクリックします。 - 紛失したデバイスの着信音が鳴ります。
- 着信音を停止する場合は「音を停止」ボタンをクリックします。
- 以上で操作完了です。
1-3 スマートフォンをロック(保護)する手順
スマートフォンを遠隔でロックし、第三者による不正利用を防ぐことができます。ロック画面には、メッセージや電話番号を表示するオプションもあります。
- Chromeなどのブラウザを開き「google.com/android/find 」にアクセスします。
- 「Google Find hub」画面が開きます。
ロック(保護)したいデバイス名をクリックします。一例として「Google Pixel 7a 」を選択しています。 - 「デバイスを保護」ボタンをクリックします。
- デバイス保護を説明するダイアログが表示されます。
説明事項を確認して「デバイスを保護」ボタンをクリックします。 - 「連絡先情報の追加」画面が表示されます。
「メッセージ」欄には、スマホを見つけてくれた人に対するメッセージを入力します。
「電話番号」欄には、連絡してほしい電話番号を入力します。
いずれも省略は可能です。
最後に「デバイスを保護」ボタンをクリックします。 - 以上で操作完了です。
1-4 スマートフォンをリセットする手順
拾い主からの連絡もなく、明らかに盗難に遭ってスマホが戻る可能性がない場合は、最後の手段としてデバイス内のデータをすべて消去(初期状態に戻す)します。
- Chromeなどのブラウザを開き「google.com/android/find 」にアクセスします。
- 「Google Find hub」画面が開きます。
リセットしたいデバイス名をクリックします。一例として「Google Pixel 7a 」を選択しています。 - 「デバイスを初期状態にリセット」ボタンをクリックします。
- 「デバイスを初期状態にリセット」のダイアログが表示されます。
内容を確認して「次へ」ボタンをクリックします。 - 本人確認画面が表示されます。
Googleアカウントのパスワードを入力して「次へ」ボタンをクリックします。 - 「デバイスを初期状態にリセット」のダイアログが再度表示されます。
「リセット」ボタンをクリックします。 - 以上で操作完了です。
2 おサイフケータイの利用を停止する手順
おサイフケータイを第三者に使われることを防ぐために、その機能を事前にロックすることができます。
しかし、ロック設定を行っていない状態でスマホを紛失した場合は困ったことになります。おサイフケータイはロックを解除せずに決済できるため、悪意のある人に自由に使われることになります。
おサイフケータイの遠隔ロックサービスを提供している携帯電話会社もありますが、ごく一部であるため、電話回線の停止を含めて、口頭またはウェブサイトを通じて連絡することが求められます。
キャリアのおサイフケータイ遠隔ロックサービスの現状を以下に示します。ただし、位置検索などのサービスは多くの携帯電話会社が対応しています。
- NTTドコモ
遠隔ロックサービス名:おまかせロック - ソフトバンク
遠隔ロックサービス名:リモートロック - au
提供終了 - 楽天モバイル
提供なし
以上で「Androidスマホがなくなった!:Googleの「デバイスを探す」機能で見つける方法」に関する解説を終わります。
Androidスマートフォンのスマートロックについては、以下の関連記事をご参照ください。
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