Androidスマホの画面をパソコンにミラーリングする:「scrcpy」アプリの使い方

「scrcpy」(Screen Copyの略)アプリは、Androidデバイスの画面をパソコン上にスクリーン ミラーリングし、パソコンからAndroidデバイスを操作できるオープンソースのアプリケーションです。

スクリーン ミラーリングまたはミラーリングとは、パソコンやスマホ、タブレットといったデバイスの表示画面を、USBやWi-Fi経由で別のデバイス画面に映し出すことをいいます。

本記事では、「scrcpy」の概要、並びにAndroidデバイスとパソコンをUSB接続してミラーリングする方法について解説いたします。

解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 23H2 OSビルド:22631.3958」です。Windows 10でも同じように利用できます。

Androidスマホは「Google Pixel 7a Android 14」を使用しました。お使いの機種により、表示内容や操作方法が異なります。

Windows 11のアプリについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

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1 scrcpyの概要

scrcpyは、USBまたはWi-Fi接続したAndroidデバイスの画面をパソコンに表示し、パソコン側からAndroidデバイスを制御できます。

なお、Windows 11にはアプリをインストールしますが、Androidデバイスにはインストールする必要はありません。

scrcpyでできることは以下のとおりです。

  • Androidデバイス画面のミラーリングと録画ができる
    ミラーリング画面の録画については、録画の都度コマンド入力が必要なので、別のキャプチャアプリを使ったほうが便利かと思います。(今回はご紹介していません)

  • AndroidデバイスとPC間でクリップボードの内容を共有できる
    テキストなどのコピー&ペーストで簡単にできます。

  • AndroidデバイスにPC内のファイルを転送できる
    日本語のファイル名は失敗することもあります。

  • Wi-Fiでお互いを接続できる(今回はご紹介していません)
    USB接続のほうが遅延が少なく、デバイスの画面をスムーズにミラーリングできます。

2 scrcpyのダウンロード&インストール手順

Windows 11にscrcpyをダウンロード&インストールする手順をご紹介いたします。

  1. 以下のリンクにアクセスします。

    Github.com

    ダウンロード画面が開いたら少し下にスクロールして「Assets」項目内の「scrcpy-win64-v2.5.zip」をダウンロードします。




  2. ダウンロードされたzipファイルで右クリックし、メニューの「すべて展開」を選択します。

    一例として「ダウンロード」フォルダに展開しました。




    zipファイルを展開すると以下の画面が表示されます。

    「scrcpy.exe」はAndroidスマホとの接続の際に使用します。

    ショートカットを作成するか、「スタートにピン留め」しておくと便利かもしれません。




  3. パソコン側の操作はいったん終了です。

3 Androidスマホの設定手順

Androidスマホによる設定では、「開発者向けオプションの有効化」と「USBデバッグの有効化」を行います。

「開発者向けオプションの有効化」は未設定の場合のみ実行します。設定済みの場合は「USBデバッグの有効化」に進んでください。 

「USBデバッグ」とは、アプリ開発者向けのモードで、スマホなどのデバイスとパソコンを接続することで相互にデータをやり取りすることができます。

3-1 「開発者向けオプションの有効化」の手順

機種によって表示される内容はやや異なりますが、記述内容に近い語句を探しながら行えば設定できます。

  1. Androidスマホの「設定」アプリを起動します。

  2. 画面下方にスワイプして「デバイス情報」をタップします。

    機種によっては「端末情報」と表示されることもあります。




  3. 画面下方までスワイプすると「ビルド番号」の項目が現れます。

    このビルド番号を7回連続してタップします。




  4. PINの入力画面が表示された場合はガイドに従い進めます。

  5. 画面下方に「開発者向けオプションが有効になりました」と小さく表示されます。

  6. 以上で「開発者向けオプションの有効化」の操作は完了です。
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3-2 「USBデバッグ」を有効化する

  1. Androidスマホの「設定」アプリを起動します。

  2. 画面を下方にスワイプして「システム」をタップします。




  3. 「開発者向けオプション」をタップします。




    この画面で「開発者向けオプション」が表示されていない場合は、上述3-1で「開発者向けオプション」が有効化されていません。

  4. 開いた画面の「開発者向けオプションを使用」のトグルスイッチをオンにします。




  5. このまま画面を下方にスワイプして「USBデバッグ」のトグルスイッチをオンにします。




  6. 「USBデバッグを許可しますか?」の画面が表示されます。

    「OK」ボタンをタップします。




  7. 以上で「USBデバッグ」を有効化する操作は完了です。

今後、スマホを普段どおりの使い方をする場合は「USBデバッグ」機能はオフにしておきましょう。

4 スマホの画面をPCへミラーリングする手順

Androidスマホの画面をパソコンへミラーリングして、大きい画面で表示しましょう。

  1. 設定の完了したAndroidスマホとパソコンをUSBケーブルでつなぎます。

  2. ここからはAndroidスマホによる手順です。

    Androidスマホに以下の通知が届きます。

    「USBデバッグを許可しますか?」のダイアログが表示された場合は「許可」ボタンをタップします。




    以下の画面が表示された場合は、とりあえず何も操作はしません。

    この後の手順③で、パソコンから「scrcpy.exe」を実行した際に同じ画面が表示されるので、その時に「許可」ボタンをタップします。




  3. ここからはパソコンによる操作です。

    パソコンに保存している「scrcpy.exe」をダブルクリックするなりして実行します。

    手順②でAndoroidスマホに「許可」画面が出なかった場合は、ここで表示されます。「許可」ボタンをタップします。




  4. 「WindowsによってPCが保護されました」の画面が表示されたら、「詳細情報」をクリックします。




  5. 表示された画面で「実行」をクリックします。




  6. パソコンに「コマンドプロンプト」が表示されるとともに、Androidスマホの画面も同時に表示されます。






    「コマンドプロンプト」はミラーリングが終わるまで閉じてはいけません。閉じるとミラーリングが終わってしまいます。

    画面が邪魔なようなら最小化します。

  7. ミラーリングの設定操作は完了です。

  8. 試しにパソコンのマウス クリックで「Chrome」ブラウザを起動しました。

5 ミラーリングの応用操作

5-1 横向きの画面にする

Androidスマホの画面を回転して横向き表示にできます。ゲームアプリや横向きの写真を表示するときに便利かもしれません。

5-2 拡大/縮小表示ができる

パソコンの通常ウィンドウと同様に最大化したり、任意のサイズで表示できます。

5-3 AndroidスマホとWindows 11でクリップボードを共有する

テキストをコピーするとクリップボードに保存されます。保存されたテキストをそれぞれの画面でペースト(貼り付け)するだけです。

まずAndroidスマホ側から行ってみましょう。

  1. Androidスマホでテキストをコピーします。

    テキストはクリップボードに保存されます。




  2. パソコン側のメモ帳などのアプリを開いてペースト(貼り付け)します。

逆のパソコン側から行ってみましょう。

  1. パソコンでテキストをコピーします。




  2. Androidスマホの任意の場所でペースト(貼り付け)します。

    一例として「Evernote」アプリにペーストしました。

5-4 Androidスマホ内の写真の閲覧や編集

Andoroidスマホに保存されている写真の閲覧や編集も、パソコンから自由に実行できます。

6 ミラーリングの終了手順

ミラーリングの終了は以下のどちらかを実行します。

  • パソコンに表示されているAndroidスマホ画面右上の「×」をクリックします。




  • コマンドプロンプト右上の「×」をクリックします。

前述していますが、ミラーリングが終わったらAndroidスマホの「USBデバッグ」のトグルスイッチをオフにしておきましょう。

以上で「Androidスマホの画面をパソコンにミラーリングする:scrcpyアプリの使い方」に関する解説を終わります。

Windows 11のアプリについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

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