Windows 10と11で実践!インターネット速度を正しく測定する手順

動画のストリーミングや画像の編集、オンラインゲーム、リモートワークなど、生活に欠かせないインターネットを楽しく利用しているでしょうか。

快適なインターネット生活を過ごすには、高速で安定した通信回線が必要であることは疑いようもないことです。

そこで気になるのは契約しているインターネット サービス事業者(光回線及びISP)の回線速度(インターネット速度)です。

事業者と契約したサービスに見合う速度が出ているかどうかを確認するには、回線速度を適正な手順でテストすることです。

テストの結果が予想より遅いと感じた場合は、正しい手順で実行していない可能性があります。

ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)とは、インターネット接続を提供する事業者で、略して「プロバイダー」とも呼ばれます。

本稿では、Windows 11パソコンで正しい手順でインターネット速度をテストする方法について解説いたします。

解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 24H2」ですが、「Windows 10」、スマートフォンでも同じように利用できます。

Windows 11の設定や使い方などについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

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正確な測定結果を得るには、以下に示す項目をチェックし終えてからインターネット速度をテストしましょう。

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1 他のアプリとブラウザのタブは全て閉じる

速度測定サービス以外のアプリがバックグラウンドで実行されていると、測定サービスと他のアプリとの間で帯域幅が共有されます。結果として不正確な値が出る可能性があります。

正しい測定結果を得るには、不要なアプリとブラウザのタブは全て閉じてから実行します。(アプリのスタートアップも無効化する)

2 他のデバイスは全て閉じる

上述のアプリと同じことがデバイスにも当てはまります。複数のデバイス(PC、スマホ、タブレットなど)がインタネットに接続されている場合、それらのデバイスは帯域幅を共有します。

そのため、速度テストを実行しても、利用可能な帯域幅全体が反映されるわけではありません。他のデバイスが割り当て分を消費した後に、残りの帯域幅の速度が表示されます。

正確な測定結果を得るには、テストを開始する前に他のデバイスを一時的にネットワークから切断するか、電源をオフにします。

ちなみに、小生の宅内でネットワーク接続しているデバイスは、「PC×4台、スマホ×5台、タブレット×1台、NAS×1台、NASNE×1台、ネットワークプレイヤー×1台、PS5×1台、スマートTV×1台、スマート スピーカー×1台、防犯カメラ×2台」とかなり多く、これらのデバイスが帯域幅を共有していることになります。

Windows 11のネットワーク切断画面

Androidスマートフォンのネットワーク切断画面

3 イーサネット(有線LAN)で接続する

多くの人はWi-Fiでインターネット接続を行っているのではないでしょうか。手軽な速度テストにWi-Fiを利用することは便利な方法です。

しかし、ルーターからの距離や電子レンジ、コードレス電話、冷蔵庫といった家電からの電波干渉、あるいはルーターの設置場所など、Wi-Fiのパフォーマンスはさまざまな要因によって左右されます。

そのため、速度テストを行うデバイスの場所によっては、予想よりも遅い結果が出る可能性があります。

最も正確な結果を得るには、イーサネット経由で直接接続してください。イーサネット ケーブルはカテゴリー6a以上がお薦めです。

ノートPCやスマートフォンをお使いで、LANポートがないという場合でも諦めないでください。「有線LANアダプター」を使えばイーサネット接続は可能です。

手元になければ購入する必要はありますが、デバイスのUSBポートType-Cコネクタなど、さまざまな選択肢があります。以下はAmazonのURLです。

https://amzn.to/45PZ6x0

4 速度テストは数回実行する

インターネット速度は、ISPの通信経路やネットワークの混雑状況など、様々な要因によって一日を通して常に変動します。

そのため、1回のテストでは全体像を把握することはできません。1日の異なる時間帯に複数回のテストを実行します。

その際には、異なる速度測定サービスを使うことも良い選択肢です。

5 ピーク 時間帯に実行する

速度テストを実行する時間帯も重要です。ネットワークの混雑は、平日は午後6時から午後11時及び土日祝日と言われています。

これらの時間帯には、ISPが意図的にインターネット速度を調整することがあります。つまり、この時間帯だけで速度テストを行うと、常に低速と思い込んでします可能性があるのです。

より正確なインターネット速度を把握するには、オフピーク時間も含めて一日を通してさまざまな時間帯にテストします。

6 テスト中はVPNを切断する

VPNに接続した状態で速度テストを実行すると、ほぼ間違いなく遅い値が出力されます。VPNは通信を中継サーバー経由で転送しますが、そのサーバーは別の都市、最悪の場合別の国に設置されていることがあります。

その結果、距離や暗号化、あるいはその両方によって接続に負荷が生じ、インターネット接続が大幅に遅い結果となります。

有料、無料のVPNに関係なく、速度測定を行う時間帯のみVPNは切断します。VPNを使用したまま速度テストを行い、両方の結果を比較することも良い方法です。

7 テストサーバーを選択する

速度テストを実行すると、ほとんどのツールは自動的にテストサーバーを選択します。通常は地理的に近いサーバーが選ばれます。

しかし、選択されたサーバーが遠くにある場合もあり、その結果、速度が遅くなる可能性があります。

サーバーが遠いほど、データが送信元から宛先に到達するまでに経由する転送機器の数が増え、かつ接続の遅延時間も増加し、ダウンロード速度やアップロード速度の低下につながる可能性があります。

速度テスト サービスで手動によりサーバーを選択できる場合は、より近いサーバーを選択することが重要です。

また、以下に示す複数の速度テスト サービスを使って計測することも検証に役立ちます。

  • Google インターネット速度 テスト
    Googleが提供する速度テストサーバーです。特徴はM-Labと接続して速度テストを実行することです。

    手動で近くのサーバーは選択できませんが、手軽に速度テストを行えます。

    Google検索結果の画面に表示される「速度テストを実行」ボタンをクリックすると、速度テストが開始され、ダウンロード速度とアップロード速度を確認できます。




    速度計測中の画面




    計測結果の画面




  • M-Lab
    M-Labは、インターネットのパフォーマンスに関する情報を提供するオープンソースのサイトです。

    速度テストを自動で2回続けて実行するため、より正確なテスト結果を得られます。

    ポリシー同意にチェックを入れて計測開始




    計測中の画面




    計測結果の画面




  • Speedtest by Ookla
    Speedtest by Ooklaは、アメリカのOokla社が提供する信頼できる速度テスト ツールです。

    対象プラットフォームは、Windows、macOS、Android、iOS、Chrome拡張機能などです。

    Windows で画面中央の「GO」ボタンをクリックすると、Ping(レイテンシ)やダウンロード速度、アップロード速度の測定を開始します。

    計測開始の画面




    ダウンロード速度を計測中の画面




    アップロード速度を計測中の画面




    計測結果の画面




  • Fast.com
    Fast.comは、動画配信サービスのNetflixが提供するシンプルで使いやすい速度テストツールです。

    デフォルトではインターネットのダウンロード速度のみを測定することに重点を置いています。

    リンクをクリックすると即時に速度テストが開始され、ダウンロード速度の結果が表示されます。




    「詳細を表示」をクリックすると、Ping(レイテンシ)やアップロード速度などの詳細情報を確認できます。



以上のスピードテストは、平日の午後5時頃にイーサネット接続で実施しました。計測結果を見てお気づきのことと思いますが、ダウンロード速度はいずれも2.0Gbpsを超えており、Fast.comに至っては6.5Gbpsを記録しています。

小生は、最大通信速度10Gbpsの超高速光回線を契約しているため、このような計測結果になります。

多くの人が利用している1Gbpsの回線では、数百Mbps程度の速度になるのではないでしょうか。

インターネット速度のテストは簡単ですが、正確な結果を得るには細かい作業が必要です。できる範囲内でこれらの作業を行ってから速度テストを実行することで、インターネット速度を正確に測定することができます。

以上で「Windows 10と11で実践!インターネット速度を正しく測定する手順」に関する解説を終わります。

Windows 11の設定や使い方などについては、以下の関連記事も合わせてご覧ください。

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