パソコンの健康状態をチェックして正常な動作をキープする

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パソコンの調子がどうもおかしいとか、動作が遅くて不安定などと感じたことはありませんか。

パソコンを使い込むほどこのような症状は頻繁に発生します。そんなときは、パソコンの健康診断をしてみましょう。

この記事では、パソコンのハードウェア面の健康診断を行う方法について解説いたします。ソフトウェア(Windowsのシステム)の健康診断については、以下の関連記事をご参照ください。

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1 ハードウェアの基礎知識

常識的なことをまずおさらいしましょう。数多くあるパソコンのパーツ構成要素でも、特に重要な役割を担っているのが「CPU」「メモリー(DRAM)」「ストレージ」の3つです。

  • CPU(Central Processing Unit)中央演算処理装置
    CPUはまさにパソコンの頭脳であり、プログラムを順に読み込んで実行する役目を担っています。この能力が高いほどパソコンの処理速度は速くなります。

  • メモリー(DRAM)
    メモリーは、データを記憶するパーツで、アプリケーションやオペレーティングシステムなどのデータやプログラムを一時的に格納します。

    メモリーは、CPUと直接つながっていて、CPUが計算や処理をする場合に、一時的に情報を記憶しておく場所です。

  • ストレージ
    ストレージは記憶装置のことで、さまざまなデータを保存する場所です。最近は、処理速度の遅いHDD(ハードディスク)から高速で耐久性のあるSSDを搭載したパソコンが増えています。

これら3つのパーツの性能バランスが大切で、1つのパーツだけ高性能であっても、他のパーツが低ければパソコン全体の処理能力に影響を及ぼします。

ここからは、上述した3つのパーツの健康診断を行ってみましょう。

2 タスクマネージャーを使う

タスクマネージャーは、コンピュータのパフォーマンスを監視し、プロセスの管理やトラブルシューティングを行うためのユーティリティツールです。

CPUやメモリー、ドライブの使用状況を表示したり、スタートアップ アプリの状態を監視します。

CPUなどの状態を確認するにはWindowsの「タスクマネージャー」を以下の手順で起動します。

2-1 タスクマネージャーの起動

  1. Windows 11/10共にタスクバーの「スタート」ボタンを右クリックして、「タスクマネージャー」を選択します。

  2. Windows 10の場合は、簡易表示画面が開くのでL、左下の「詳細」ボタンをクリックします。

    Windowsのタスクマネージャーの使い方画面


  3. タスクマネージャーの画面が表示されました。
    Windows 11の画面

    Windowsのタスクマネージャーの使い方画面


    Windows 10の画面

    Windowsのタスクマネージャーの使い方画面

ここからは、Windows 11のタスクマネージャー画面を使用して説明します。

2-2 CPUのパフォーマンスを確認する

タスクマネージャーを起動したら、CPUの「パフォーマンス」(使用状況)を確認します。

  1. Windows 11では、画面左ペインの「パフォーマンス」と「CPU」を順番にクリックします。

    Windows 10では、画面上部の「パフォーマンス」タブと「CPU」を順番にクリックします。

    Windowsのタスクマネージャーの使い方画面

    上の画面では「CPU」の使用率が12%と表示されています。このパソコンはかなり余裕のある稼働状態であり、現時点では問題はないと思われます。

    「CPU」の型番は右上の赤枠内から確認できます。インテルの12世代CPU 「i5-12600」と表示されています。

    中央付近には使用率のグラフ、右下には、動作周波数、コア数などが表示されています。

    これらの情報から搭載CPUの性能諸元を確認できます。スペックが劣るCPUや古いそれでは、使用率が高い状態を維持することもあります。

    このような状態が続くようなら、ノートパソコンではCPUの交換は難しいので、本体の買い替えを検討したほうがよろしいでしょう。

    デスクトップパソコンでは自分でCPUの交換することも可能ですが、費用対効果や他のパーツとの兼ね合いを考慮する必要があります。
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2-3 メモリーのパフォーマンスを確認する

タスクマネージャーのパフォーマンス画面から、メモリーの容量などの情報を確認します。

  1. タスクマネージャー画面の「パフォーマンス」と「メモリ」を順番にクリックします。

    Windowsのタスクマネージャーの使い方画面

    上の画面右上には搭載「メモリー容量」が表示されています。このパソコンには「32GB」が搭載されています。画面下部にはメモリーの使用率が「8.4GB」と表示されており、十分な容量があることを確認できます。

    古いパソコンには「4GB」しか搭載されていないものもありますが、これでは全く無理です。Windowsのシステムだけでも3GB程度使うので、増設できるパソコンならメモリーを増設しましょう。

    パソコンの仕様により増設できないこともあります。増設する場合は、最低でも8GB、可能なら16GBあればよろしいです。

    ノートパソコンのメモリーは、機種によっては直付けの場合もあるので注意が必要です。

メモリー診断を行う

メモリーが壊れることはあまりありませんが、中古パソコンを購入した場合は、最初にチェックしたほうがよいでしょう。

メモリーの故障や寿命のサインは、パソコンの動きが急に遅くなる、しばしばフリーズする、などの症状が挙げられます。

メモリーの状態を確認する方法は、「Windows メモリ診断」機能を使います。メモリー診断は時間がかかります。

その間はパソコンを使用できなくなるので、暇な時間に行うのがよろしいでしょう。

  1. タスクバーの検索ボックスに「めもり」や「メモリ」と入力し、検索結果の「Windows メモリ診断」をクリックします。

    Windowsのメモリ診断画面


  2. 「コンピュータにメモリの問題があるか確認します」画面が表示されます。

    「今すぐ再起動して・・・」または「次回のコンピューター起動時に・・・」どちらかをクリックします。

    一例として、「今すぐ再起動して・・・」を選択しました。

    Windowsのメモリ診断画面


  3. パソコンは再起動され、「Windows メモリ診断ツール」画面が表示されます。診断の開始ですが、パソコンの環境によってはしばらく時間がかかります。

    キーボードの「ESC」キーを押すと診断はキャンセルされて、パソコンは再起動します。

    Windowsのメモリ診断画面


  4. 診断が終わるとパソコンは自動的に再起動されます。

  5. 特に問題がない場合は、画面右下の通知領域に「メモリエラーは検出されませんでした」とポップアップが表示されます。

    ポップアップは再起動してからしばらく待つ必要があります。

    Windowsのメモリ診断画面

メモリ診断結果は、後からでも「イベントビューアー」画面から確認できます。

  1. タスクバーの検索ボックスに「イベント」と入力し、検索結果の「イベント ビューアー」をクリックします。

    イベントビューアー使い方画面


  2. 「イベント ビューアー」画面の左ツリー「Windows ログ」と「システム」を順番にクリックします。

    画面中央枠内の「Memory Diagnostics-Results」を探してクリックします。

    問題がない場合は、画面中央付近に「エラーは検出されませんでした」と表示されます。

    エラーが見つかったときは、サポートに相談するか、メモリーの交換を検討しましょう。

    イベントビューアー使い方画面

  3. 「Memory Diagnostics-Results」を探すのに時間がかかる場合は、ショートカットの「Ctrl」+「F」キーを押し、ダイアログに「memory」と入力して検索するほうが早いです。

    イベントビューアー使い方画面

2-4 ストレージのパフォーマンスを確認する

HDDやSSDの保存容量が少なくなると、パソコンの動作は劇遅になります。たとえ高速のSSDでも同じことです。

ストレージの使用率が100%近くになると、ストレージに負荷がかかり動作は遅くなります。

特にCドライブの容量が少ないとそれは顕著に表れます。ある程度の余裕を持ってパソコンを購入することが大切です。

タスクマネージャーでストレージの状態を確認してみましょう。

  1. タスクマネージャー画面の「パフォーマンス」と「ディスク」を順番にクリックします。

    下の画像ではCドライブとDドライブにはSSDが搭載されています。

    タスクマネージャーの使い方画面

    CドライブまたはDドライブのタブをクリックすると、それぞれの状態を確認できます。

    上の画面では、容量が「1TB」のSSDが搭載されており、ストレージの使用率も全く問題ないようです。

    もし、HDDを使用していて、アクティブな時間が頻繁に100%近くになるようなら、高速かつ容量の大きいSSDへの交換を検討したほうがよいでしょう。

ストレージのエラーチェックを行う

パソコンのパーツの中でもHDDは障害の発生しやすいパーツの一つです。SSDはHDDに比べると寿命はかなり長いと思われます。

ここでは、Windowsの標準ツールの「チェックディスク」でストレージの状態を確認します。「チェックディスク」は、ストレージの不良セクターなどのエラーチェックと修復を自動で行います。

一例として、Windowsシステムの「Cドライブ」のエラーチェックを行います。

  1. エクスプローラーを開きます。

  2. 「PC」を選択し、「ローカルディスクC」を右クリックして「プロパティ」を選択します。

    Windowsのチェックディスク画面


  3.  画面上部の「ツール」とエラーチェック」項目の「チェック」ボタンを順番にクリックします。

    Windowsのチェックディスク画面


  4. 今回は「このドライブをスキャンする必要はありません」と表示されましたが、「ドライブのスキャン」をクリックして実行します。

    メッセージの内容はドライブの状態で異なることがあります。

    Windowsのチェックディスク画面


  5. 正常にスキャンされ、今回は「エラーは検出されませんでした」と表示されました。

    Windowsのチェックディスク画面

    「このドライブを修復する」のメッセージが表示された場合は、ウィザードに従い操作します。

ドライブの最適化

上述「ストレージのエラーチェック」の手順③のツール画面には、「ドライブの最適化とデフラグ」の項目があります。

この機能を利用してドライブの最適化とデフラグを行います。ストレージがSSDの場合は「最適化」、HDDの場合は「デフラグ」を実行できます。

デフラグは以前からのおなじみのデータ断片化を解消する機能です。SSDの最適化はデフラグとは異なります。

SSDの場合はデフラグが実行されることはなく、自動的に「TRIM(トリム)」コマンドによる最適化が行われます。

よく言われるようなSSDの寿命が短くなるということはありません。安心してこの機能をオンにしてお使いください。

  1. 上述の「ストレージのエラーチェックを行う」の手順③まで操作し、「最適化」をクリックします。

    ドライブの最適化とデフラグ画面


  2. 最適化画面が表示され、上部にはドライブとメディアの種類、最適化を実行した日時などが表示されます。

    今すぐ最適化を実行したい場合は、「最適化」ボタンをクリックします。

    最適化のスケジュールを変更したい場合は、「設定の変更」をクリックします。

    ドライブの最適化とデフラグ画面

  3. 最適化のスケジュールは、「スケジュールに従って実行する(推奨)」にチェックを付け、実行するスケジュールを頻度から選択し、「OK」ボタンをクリックします。

    ドライブの最適化とデフラグ画面

  4. スケジュールに従って自動的に最適化を実行する場合は、手順②で「設定の変更」をクリックして、「選択」をクリックします。

    ドライブの最適化とデフラグ画面

  5. 「新しいドライブを自動的に最適化する」にチェックを付け、「OK」ボタンをクリックします。

    ドライブの最適化とデフラグ画面

この章ではWindowsの標準ツールを使用して、ストレージのエラーチェックと最適化を行いました。

ストレージのより詳しい情報を確認する方法としては、フリーソフトの「Crystal Diskinfo」を利用します。

本ソフトは、HDDやSSDの健康状態を詳細に確認でき、使い方も非常にシンプルです。ストレージの動作がおかしいときは使用をおすすめします。

「Crystal Diskinfo」のダウンロードや使い方は、以下の関連記事をご参照ください。

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3 まとめ

パソコンのハードウェアの中で、重要な役割を担っているのが「CPU」「メモリー(DRAM)」「ストレージ」です。

パソコンの動作が不安定でおかしいときは、これらハードウェアの健康診断は欠かせません。

ハードウェアの健康診断は、Windowsの「タスクマネージャー」や、標準ツールの「エラーチェック」、「ドライブの最適化」、フリーソフトの「Crystal Diskinfo」を利用しましょう。

以上で、「パソコンの健康状態をチェックして正常な動作をキープする」に関する解説を終わります。

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