1 「裏切りのサーカス」は緊張の連続
「裏切りのサーカス」をAmazonプライムで鑑賞しました。この映画を観るのは十年ほど前に続き2回目になりますが、今回は、本映画作品の内容とその原作小説についての記事です。私自身は、映画、小説ともにミステリー・サスペンスをもっとも好みとしています。
この作品は、ご存じ英国作家ジョン・ル・カレのスパイ小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(スマイリー三部作の1作目)を原作とした映画で、「007シリーズ」や「MIシリーズ」のようなアクション系とは趣を異にするスパイ映画に仕上がっています。
本来のスパイ映画?らしく、派手なアクションは皆無に近く、スクリーンに流れる静かなBGMのもと、言葉による戦いがメインというシリアスで、玄人受けする作品です。
ただ、この作品は一度観ただけでは内容を理解するのは至難の業。(特に物語中半まで) そもそも登場人物(スパイたち)のつながりが当初はよく分からない。原作小説を先に読んでも良いかもしれません。というわけでネタバレにならない程度にあらすじや登場人物をご紹介いたします。
映画に関する記事については、以下のリンクも合わせてご覧ください。
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あらすじ
原題は「Tinker Tailor Soldier Spy」「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」で、イギリス、フランス、ドイツの合作映画、時は東西冷戦下の1960年代、「サーカス」とは当時のイギリス秘密情報部(MI6)のことを言い、その中にソ連情報部(KGB)につながるダブルスパイ(作品内ではもぐら)がいる疑いが出てきた。
そこでサーカスの長官(コントロール)と次席ジョージ・スマイリー(本編主人公)は「もぐら」のあぶり出しを計画したが失敗に終わり二人とも引退する。
しかし、引退したスマイリーに再度「もぐら」探しの要請が国から入る。原題の「ティンカー・テイラー・ソルジャー」は「もぐら」らしき人物3人のコードネームで、これにプアマンが加わり「もぐら」の候補者は4人で、いずれもイギリス秘密情報部幹部。
ティンカー(鋳掛け屋)
テイラー(仕立屋)
ソルジャー(兵隊)
プアマン(貧乏人)
あらすじはここまでです。
登場人物
キャストはほとんどイギリスの俳優で、トップクラスに位置する重厚な布陣です。
コントロール:俳優 ジョン・ハート サーカスの元トップ
ジョージ・スマイリー:俳優 ゲイリー・オールドマン
サーカスの元幹部でコントロールの右腕的存在
パーシー・アレリン:俳優トビー・ジョーンズ サーカスの現トップ
コードネーム「ティンカー」
ビル・ヘイドン:俳優コリン・ファース サーカス幹部
コードネーム「テイラー」
ロイ・ブランド:俳優 キーラン・ハインズ サーカス幹部
コードネーム「ソルジャー」
トビー・エスタヘイス:俳優 デヴィッド・デンシック サーカス幹部
コードネーム「プアマン」
ジム・プリドー:俳優マーク・ストロング サーカス工作官
ピーター・ギラム:俳優ベネディクト・カンバーバッチ サーカス幹部
スマイリーの部下
作者「ジョン・ル・カレ」について
イギリスの小説家、特にスパイ小説でヒット作品を連発しました。以下の作品はその一部です。
1963年 寒い国から帰ってきたスパイ 当時のベストセラー。 映画もヒット
1977年 スクールボーイ閣下 スマイリー三部作の2作目
1979年 スマイリーと仲間たち スマイリー三部作の3作目 映画化
1983年 リトル・ドラマー・ガール 映画化
1986年 パーフェクト・スパイ BBCテレビ化
1989年 ロシア・ハウス 映画化
2003年 ナイロビの蜂 映画化
私は上記の小説、映画はすべて視聴していますが、いずれの作品も外れがなく、大変面白く感じています。もし、スパイものに興味があれば、本を先に読むもよし、映画を先に観るもよしで、両方を視聴することをお勧めします。
映画については、動画配信サービス等で鑑賞が可能です。