2021年春に登場した大手3大キャリアの格安新プランを契機に、スマホの月額料金は大きく変わりつつあります。
キャリアの新プランにより格安SIMも対抗策として、月額料金を値下げしたり、サービスの拡充などを図る業者も多く、我々ユーザーには契約の選択肢が広がり大変ありがたいことです。
本記事では、キャリアや格安SIMのプランの現状と特徴、月額料金の比較などについて解説いたします。今後、スマホの契約を見直す際の参考にしていただければ幸いです。
なお、本記事は2022年2月初旬の情報を基に作成しています。サービスや料金などは変更になっている可能性もあります。また、料金については割引などについては考慮しておらず、すべて税込み価格で表示しています。
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1 キャリアのメインプラン
大手3大キャリアのメインプランは下図のとおりです。ご覧のとおり、メインプランは、基本的に「1GBから7GB」までの段階制と「データ容量無制限(使い放題)」に分かれます。
段階制の利用料金は、後に述べるキャリアのサブブランドや格安SIMと比較すると、かなりの割高になり、とてもじゃありませんが契約する気にはなりません。
メインブランドを利用する対象者は、データ無制限を選択し、動画でも何でもガンガン使いたい人になるかと思います。
各社すべて7000円を超えますが、いずれも全国を網羅した通信回線で、安心して使えるのではないでしょうか。
通話オプションや割引については、3社ほぼ同じ条件になっています。
通信業者 | ドコモ | au | ソフトバンク |
プラン名 | 5Gギガライト 5Gギガホプレミア | ピタットプラン5G 使い放題MAX5G | ミニフィットプラン+ メリハリ無制限 |
対応回線 | ドコモ | au | ソフトバンク |
~1GB | 3465円 | 3278円 | 3278円 |
~2GB | ✕ | ✕ | 4378円 |
~3GB | 4565円 | ✕ | 5478円 |
~4GB | ✕ | 4928円 | ✕ |
~5GB | 5665円 | ✕ | ✕ |
~7GB | 6765円 | 6578円 | ✕ |
無制限 | 7315円 | 7238円 | 7238円 |
通話料 | 22円/30秒 | 同左 | 同左 |
通話定額 オプション | 月770円(国内1回5分) 月1870円(国内無制限) | 月880円(国内1回5分) 月1980円(国内無制限) | 月880円(国内1回5分) 月1980円(国内無制限) |
割引 | 2名で月550円 3名以上で月1100円 光回線:最大1100円 | 2名で月550円 3名以上で月1100円 光回線:最大1100円 | 2名で月660円 3名以上で月1210円 光回線:月1100円 |
2 キャリアの新ブランド
国の方針を受けて登場したのがこの新ブランドです。月20GBのプランのみのシンプルプランで迷うことがありません。(LINEMOは3GBプランが追加されました。)
料金も3社ほぼ横並びの3000円弱ですが、ドコモのahamoのみ少し高くなっています。これは通話料の「国内5分以内無料」が転嫁されているものと思われます。
さらに通話定額オプションを比較するとドコモが最も安く、プラン料金はau、ソフトバンクより242円高いものの、総合的にドコモが安価になっています。
毎月のデータ容量を20GB以内に抑えることができれば、魅力的なプランに思われます。ただ、メインプランと比較するとサポートはかなり手薄になります。初心者や高齢者の方は、このことを考慮する必要があります。
新ブランドのプランは下図のとおりです。
ドコモ | au | ソフトバンク | |
プラン名 | ahamo | povo | LINEMO |
対応回線 | ドコモ | au | ソフトバンク |
3GB | ✕ | ✕ | 990円 |
20GB | 2970円 | 2728円 | 2728円 |
通話料 | 国内5分以内無料 以降22円/30秒 | 22円/30秒 | 22円/30秒 |
通話定額 オプション | 月1100円(国内無制限) | 月550円(国内1回5分) 月1650円(国内無制限) | 月550円(国内1回5分) 月1650円(国内無制限) |
3 準キャリアとサブブランド
ここでは、準キャリアといわれる「楽天モバイル」と、au及びソフトバンクのサブブランドである、「UQモバイル」と「ワイモバイル」を比較しましょう。
キャリアの新ブランド提供による影響を受けたのが、サブブランドの「UQモバイル」と「ワイモバイル」です。
15GBのプランは新ブランドと差がなく、容量も少なくなっています。選択肢は3GBの一択でしょう。
注目は楽天モバイルです。下図のようにデータ容量月1GBまでなら無料、3GBまでも2社よりもかなり安く、20GBをキャリア新ブランドと比較すると、月600円程度安くなっています。
どれだけ使っても月3278円はとても魅力的なプランですが、これは楽天回線利用時に適用されるものです。
パートナー回線であるau回線を使用した場合のデータ容量は月5GBまでになります。5GB超過後は最大速度1Mbpsで使い放題になります。
楽天回線の整備は少しずつ進んでいますが、キャリアと比較すると通信エリアは狭く、注意を要するところです。
楽天モバイルの通話料は、「Rakuten Link」アプリを使っての国内通話かけ放題が無料になります。楽天回線、パートナー回線を問わず利用できるので、これはありがたいサービスです。
通話音質が気になるところですが心配ありません。私自身Wi-Fi回線や4G回線で利用していますが、今まで不具合を感じたことはありません。
事 業 者 | 楽天モバイル | UQモバイル | ワイモバイル |
プラン名 | Rakuten UNーLIMIT Ⅵ | くりこしプランS/M/L | シンプルS/M/L |
対応回線 | 楽天/au | au | ソフトバンク |
~1GB | 無料 | ✕ | ✕ |
~3GB | 1078円 | 1628円 | 2178円 |
~15GB | ✕ | 2728円 | 3278円 |
~20GB | 2178円 | ✕ | ✕ |
25GB | ✕ | 3825円 | 4158円 |
無制限 | 3278円 | ✕ | ✕ |
通話料 | 国内無料「Rakuten Link」アプリ利用 | 22円/30秒 | 同左 |
通話定額 オプション | 月1100円(国内1回10分) 月980円(国際通話かけ放題) | 月550円(国内月60分) 月770円(国内1回10分) 月1870円(国内無制限) | 月770円(国内1回10分) 月1870円(国内無制限) |
割引 | ✕ | ✕ | 月1188円(家族割引または光回線とのセット割引) |
4 格安SIM
最後は主要な格安SIMを比較してみましょう。格安SIMを利用するユーザーは、ネット動画を毎日視聴するようなヘビーユーザーより、月容量1~6GB程度でメール、SNS、ウェブを利用するライトユーザーが多いかと思います。
容量が5、6GBあればごく一般的な使い方をし、自宅や会社などでもWi-Fiが利用できれば十分な容量です。
ただ、ご存じのように格安SIMではキャリアメールのようなものが提供されません。
どうしてもキャリアメールを必要とするユーザーは、この格安SIMは選択肢に入りません。今や、キャリアメールがなくても、Gメールがあれば事足りると思われるのですが。
なお、格安SIMの通信速度については、キャリアと同等と考えないほうがよろしいかと思います。通信速度を重視するユーザーは、キャリアのプランも考慮する必要があります。
下図レイアウトは、上図レイアウト項目の左側と上側を逆に作図しています。また、事業者のプラン名は省略しています。
料金は基本プランを基に表示しています。詳細については各事業者の公式ホームページをご覧ください。
通信業者 | 対応回線 | ~1GB | 2GB~10GB | 11GB~50GB |
イオンモバイル | ドコモ au | 858円 | 968円(2GB) | 1958円(12GB) |
日本通信 | ドコモ | ✕ | 1390円(3GB) | 2178円(20GB) |
IIJmio | ドコモ au | ✕ | 858円(2GB) | 1847円(15GB) |
OCNモバイルONE | ドコモ | 770円 | 990円(3GB) | ✕ |
BIGLOBEモバイル | ドコモ au | 1078円 | 1320円(3GB) 1870円(6GB) | 3740円(12GB) |
mineo | ドコモ au ソフトバンク | 1298円 |
| 2178円(20GB) |
nuroモバイル | ドコモ au ソフトバンク | ✕ | 792円(3GB) | ✕ |
donedone | au | ✕ | ✕ | 2728円(50GB) |
y.u mobile | ドコモ | ✕ | 1070円(5GB) | 4170円(20GB)シェアU-NEXT込み |
格安SIMの現状を見てみましょう。
3GBは「nuroモバイル」の792円が破格の値段で、後発格安SIMのやる気度が見えてきます。
さらに「IIJmio 」の2GBと「OCNモバイルONE」の3GBはともに1000円を切る値段を打ち出しています。
「nuroモバイル」にあっては、5GBは990円、10GBは1485円とインパクトのある料金設定になっています。
50GBで2728円をたたき出しているのが、「BIGLOBEモバイル」の新ブランド「donedone」です。使い放題は必要としないが、大容量を求めるユーザーは興味を惹かれるところです。
料金以外のサービスでは「日本通信」(b-mobile)の通話サービスで、「国内月70分無料、以降11円/30秒」は他社にないもので注目に値します。
5 格安SIM各社の特徴
ここでは格安SIM各社の主な特徴とサービスを見てみましょう。
各事業者ともキャンペーンなどは、継続的に行われていたり特定期間のみ実施をしている場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。
5-1 イオンモバイル
- 料金設定はごく普通ですが、1GB~10GBまで1GB刻みでプランが用意されています。
- 全国約200店舗のイオンで契約やスマホの購入などができます。
- 音声シェアプランという最大5回線までSIMを追加できるプランがあります。
- データ専用SIMなら3枚まで無料で追加できます。
5-2 日本通信
- 他社と比較して通話サービスが充実しています。
- データは小容量でいいが、通話を重視するユーザーは特に検討対象になります。
5-3 IIJmio
- 新しいプランで値下げをしました。
- 余ったデータを家族間でシェアできます。
- 5G回線が無料オプションで利用できます。
- eSIMやプリペイドのプランを選べます。
5-4 OCNモバイルONE
- 新プランで値下げしました。
- 自宅に「OCN光」を導入していると、月額料金が220円安くなります。
- 「OCNでんわ」という音声サービスを利用して通話すると、月の通話料上位3つの番号が無料かけ放題プランがあります。
5-5 BIGLOBEモバイル
- 通話対応のプランでは、1年間770円で使える特典があります。
- youTubeのデータ使用料をカウントしないオプションがあります。
- 初心者向けの無料出張サポートがあります。高齢者にはありがたいです。
5-6 mineo
- ドコモ、au、ソフトバンクの通信回線に対応しています。
- 最大1.5Gbpsの通信速度でデータ使い放題になるオプションはあります。
5-7 nuroモバイル
- ドコモ、au、ソフトバンクの通信回線に対応しています。
- 最安値クラスのプランが用意されています。
- 継続利用者に対し、データ容量を付与するサービスがあります。
5-8 donedone
- BIGLOBEモバイルの新ブランドです。
- 50GBを2728円で利用できます。
5-9 y.u mobile
- 動画配信サービス「U-NEXT」とヤマダ電機の合弁会社が母体です。
- シンプルな3通りのプランだけです。
- シェアプランは2名まで追加料金なしで利用できます。
- U-NEXT料金込みのプランを選べます。
- スマホの修理費用保険が無料で付帯しています。
以上で、スマホの料金プランを比較するに関する解説を終わります。