Windows 11には標準のバックアップ機能として「Windows バックアップ」「ファイル履歴」「システム イメージの作成」の3つの方法があります。
「Windows バックアップ」は最も新しいバックアップ機能で、データを自動的にOneDriveに保存します。
「ファイル履歴」は、ドキュメント、ピクチャ、ビデオ、ミュージックなど、普段から使っている個人用ファイルをバックアップします。
「システムイメージの作成」は、Windowsのシステム全体のイメージをバックアップします。
本稿では、Windows 11でシステム イメージを作成して、PC全体を丸ごとバックアップする手順について解説いたします。
解説に使用したOSは「Windows 11 Pro 24H2」です。
「Windows バックアップ」については、以下の関連記事をご参照ください。
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1 バックアップとシステムイメージとは?
まずバックアップとは、パソコン内のデータや設定情報を別の場所に保存し、PCの故障やトラブルなどでデータが失われた場合に、元の状態に戻せるようにする機能のことです。
システム イメージとは、Windowsのシステムドライブ全体をコピーしたファイルであり、OSやインストールされているアプリケーション、システム設定、個人用ファイルなど、ディスク ドライブ内のすべてのものが含まれます。
システムイメージをあらかじめ作成しておくことで、PCに障害が発生した場合にこのイメージを使って以前と同じ正常な状態に復元することができます。
システムイメージを作成、バックアップに使用できるデバイスは以下のとおりです。
- USB接続の外付けストレージ(SSD/HDD)
- Windows 11がインストールされているドライブ以外の内蔵ストレージ(Dドライブなど)
- ネットワーク ストレージ(NAS)
- DVD/BDドライブ
システムイメージのバックアップは、PC全体をコピーするためにかなりの時間がかかります。(バックアップに使うデバイスにより異なります)
ゆとりのある時間に行い、ノートPCで実行する場合はACアダプターを接続してください。
Windows 11が起動しない状態からの復元は、バックアップしたシステムイメージと回復ドライブが必要となります。
PCの動作が好調なときにシステムイメージと、回復ドライブも合わせて作成しておきましょう。
2 システムイメージを作成する手順
本章では、一例として、外付けHDD(ハードディスク)にシステムイメージを作成する手順をご紹介いたします。
操作にはコントロールパネルを使います。
- バックアップ先に利用する外付けHDDなどをPCに接続しておきます。
- タスクバーの「スタート」ボタンをクリックします。
表示されたスタートメニューの「検索」ボックスに「コント」「コントロール」「cont」などと入力し、検索結果の「コントロールパネル」をクリックします。 - コントロールパネルが表示されます。
右上の「表示方法」が「カテゴリ」であることを確認して「システムとセキュリティ」欄の「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。 - バックアップと復元(Windows 7)が表示されます。
左ペインの「システム イメージの作成」をクリックします。 - バックアップデバイスを検索中のメッセージが表示されます。
- システムイメージの作成画面が表示されます。
一例として、選択できるハードディスクが2台あると仮定して操作を進めます。
「ハードディスク上(H)」欄のボックスをクリックして、ドロップダウンメニューを表示します。
「外付けHDD」をクリックします。(今回の例ではSky Share(E:)が外付けHDD)
選択できるハードディスクが1台のみの場合は、「ハードディスク上(H)」のラジオボタンを選択の後、「次へ」ボタンをクリックして、手順⑧に操作を進めます。 - 「外付けHDD」が選択されました。
「次へ」ボタンをクリックします。 - コピー元のドライブ(データが保存されているドライブ)を選択する画面が表示されます。
必要なドライブにはチェックマークが入り、グレーアウト表示のため選択できません。
今回の例ではDドライブを選択できますが、必要ないためチェックマークは入れていません。
「次へ」ボタンをクリックします。 - バックアップの設定確認画面が表示されます。
バックアップに必要なディスク領域の容量を確認します。今回の例では「161GB」を必要としています。
確認が終わったら「バックアップの開始」ボタンをクリックします。 - バックアップを保存しているメッセージが表示されます。このまましばらく待ちます。
バックアップを中止したい場合は「バックアップの停止」ボタンをクリックします。 - バックアップが完了すると「システム修復ディスク」を作成するかどうかのダイアログが表示されます。
「はい」または「いいえ」のどちらかをクリックします。
一例として「いいえ」をクリックしました。(回復ドライブを別に作成するため、システム修復ディスクは必要としない) - 同じタイミングで「バックアップは正常に完了しました。」のダイアログが表示されます。
「閉じる」ボタンをクリックします。 - エクスプローラーでバックアップ先(外付けHDD)を開いて「WindowsImageBackup」フォルダーが作成されていることを確認します。
- 以上でバックアップ操作は完了です。
回復ドライブの作成方法については、以下の関連記事をご参照ください。
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以上で「Windows 11の設定:システム イメージを作成してPCをバックアップする手順」に関する解説を終わります。
作成したシステムイメージを使ってドライブを復元する方法については、以下の関連記事をご参照ください。
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