パソコンを使っていれば、トラブルに遭遇することは当たり前?とは言いませんが、少なからず起こりえる事象です。パソコンが起動しなくなったら大切なデータも失う可能性があります。
こんなピンチを切り抜けるのに必要なものが、あらかじめバックアップしておいたデータです。
消し飛んでは困るデータを、安全な場所に定期的にバックアップしておけば、壊れて開けなくなったファイルなどを元に戻すことができます。
本記事ではWindows 11とWindows 10を例に、パソコン内のデータをバックアップする方法について解説いたします。
バックアップしたデータの復元方法については、以下の記事にてご紹介しています。
本記事では、パソコンに保存されているファイルの破損や間違って削除した場合や、パソコンに不具合が発生した場合に、以前の正常な状態に戻す方法について解説いたします。関連記事「Windowsで トラブルに備えてデータを自動バックアップする」の方[…]
解説で使用しているOSは「Windows 11 Pro Ver 22H2」及び「Windows 10 Ver 22H2」です。
パソコンのトラブルについては、以下のリンク記事も合わせてご覧ください。
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1 バックアップの対象
バックアップの対象となるデータは、大きく分けると「個人用ファイル」と「内蔵ストレージ(ドライブ)全体」の2項目になります。
1-1 個人用ファイルのバックアップ対象フォルダー
個人用ファイルのバックアップ対象フォルダーは、以下の12項目になります。
これらのフォルダーを「ファイル履歴」(後述)を利用して、外付けドライブやUSBメモリなどに保存します。
- ミュージック
- ビデオ
- ドキュメント
- ピクチャ
- カメラロール
- ダウンロード
- デスクトップ
- 検索
- OneDrive
- Windows アドレス帳
- リンク
- 保存したゲーム
1-2 内蔵ストレージ(ドライブ)全体のバックアップ対象
内蔵ストレージのバックアップ対象は、内蔵されているHDDやSSDのデータを丸ごと「システムイメージ」として、外付けドライブなどに保存します。(後述)
「システムイメージ」は、OSやハードウェア ドライバー、アプリ、設定など、パソコンの起動に必要なデータをまとめたものです。
また、システムイメージは、パソコンが正常に動いているときに、対象とするCドライブ全体をコピーする必要があります。
パソコンが不調でトラブルが生じているようなときは、コピーしないようにしましょう。
Cドライブ(ローカルディスク(C:))は、Windowsがインストールされているシステムドライブのことですね。
2 データのバックアップ先
データのバックアップ先は、いくつかの選択肢がありますが、お勧めは容量の大きい「外付けHDDやSSD」で、ネットワークドライブの「NAS」を利用しても問題ありません。
内蔵ストレージ全体(システムイメージ)はサイズが大きいので、バックアップ先はこれらを使ったほうがよいでしょう。
私の場合は、個人用ファイルや内蔵ストレージ全体のデータをすべて「NAS」に保存しています。
USBメモリはファイル履歴のバックアップに使えますが、システムイメージの作成には利用できません。
3 バックアップの方法
データのバックアップ方法は、Windows標準機能の「ファイル履歴」と「システムイメージの作成」から行います。
3-1 ファイル履歴を利用する
個別のファイルが破損して開けなくなったり、誤ってファイルを削除した場合に備えて、この「ファイル履歴」を使ってバックアップします。
3-2 システムイメージの作成
Windowsの動きが不安定であったり、起動しないような場合に備えて、この「システムイメージ」をバックアップしておきます。
バックアップしたデータの復元方法については、以下の関連記事を参照してください。
本記事では、パソコンに保存されているファイルの破損や間違って削除した場合や、パソコンに不具合が発生した場合に、以前の正常な状態に戻す方法について解説いたします。関連記事「Windowsで トラブルに備えてデータを自動バックアップする」の方[…]
4 バックアップの操作手順
ここでは上述3-1と3-2のバックアップ手順についてご紹介します。
4-1 ファイル履歴を使ってバックアップする
4-1-1 Windows 11の場合
- バックアップ用のUSBメモリや外付けドライブなどをPCに接続します。
- スタートボタン右の検索をクリック、検索ボックスに「ファイル履歴」と入力し、検索結果の「ファイル履歴」をクリックします。
「スタート」ボタン➜「すべてのアプリ」➜「Windows ツール」➜「コントロールパネル」➜「ファイル履歴でファイルのバックアップを保存」と順番に開いてもOKです。 - ファイル履歴が表示されたら、「ファイル履歴はオフになっています」を確認します。
ここで「ファイル履歴はオンになっています」と表示されたら、ファイル履歴は有効になっています。 - 左ペインの「ドライブの選択」をクリックします。
- 「コピー先」に表示されているドライブを選択し「OK」をクリックします。
- 左ペインの「詳細設定」を選択します。
- ファイルを保存する頻度や保持期間を設定し、「変更の保存」をクリックします。
- 画面中ほどの「オンにする」をクリックすると、設定した時間ごとにデータが自動的にバックアップされます。
2回目以降のバックアップについては、「ファイル履歴」がオンになっていれば、「今すぐ実行」をタップするだけでバックアップが始まります。
コントロールパネルの開き方については、以下のリンクをご覧ください。
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4-1-2 Windows 10の場合
- 「スタート」ボタンをクリックし、「設定」を開きます。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左ペインの「バックアップ」と右ペインの「ドライブの追加」を順番にクリックします。
- 「ドライブを選んでください」と表示されたら、保存するドライブを選択します。
- 「ファイルのバックアップを自動的に実行」のトグルスイッチがオンになっていることを確認し、「その他のオプション」をクリックします。
- バックアップオプション画面が表示されたら、「今すぐバックアップ」をクリックします。
- バックアップが始まり、「データをバックアップしています」とメッセージが表示されます。
- バックアップが終わると「最新のバックアップ:日付/時間」のメッセージが表示されます。
4-2 システムイメージの作成
システムイメージを作成しておくと、パソコンの状態を、システムイメージを作成した時点に戻すことができます。
システムイメージの作成は、コントロールパネルの「バックアップと復元(Windows 7)」から行います。
システムイメージの作成にはかなりの時間を要します。PCの電源はACアダプターの使用をお勧めします。
4-2-1 Windows 11の場合
- 外付けドライブ(HDDやSSD)をパソコンに接続しておきます。(ファイルシステムはNTFSであること。)
Dドライブに保存する場合は、次の手順②に進みます。 - スタートボタン右の検索をクリック、検索ボックスに「con」と入力し、検索結果から「コントロールパネル」を選択します。
「スタート」ボタン➜「すべてのアプリ」➜「Windows ツール」➜「コントロールパネル」と順に進んでも、コントロールパネルを開けます。 - 「コントロールパネル」が開いたら、「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。
Windows 7と記述されていますが、Windows 10やWindows 11で利用できます。 - 左ペインの「システムイメージの作成」を選択します。
- 保存場所を聞いてくるので、接続したドライブであることを確認したのち、「ハードディスク上」を選択し、「次へ」をクリックします。
ここでは一例として、「ハードディスク上」を選択しました。
「ネットワークの場所上」にバックアップしたい場合は、ここで「ネットワークの場所上」を選択し、後述の「ネットワークの場所上にバックアップする」(NASなど)の手順に従います。 - もし「どのドライブをバックアップに含めますか?」と表示されたら、バックアップしたいドライブにチェックを入れます。
表示されなければ次の⑦に進みます。 - バックアップの設定確認が表示されたら、「バックアップの開始」をクリックするとバックアップが開始されます。
- バックアップの完了時に「システム修復ディスクを作成しますか?」のメッセージが表示されます。
ここで「はい」または「いいえ」を選択すると「バックアップは正常に完了しました」と表示されます。
最後に「閉じる」をクリックします。
「ネットワークの場所上」(NASなど)にバックアップする
- 上述4-2の⑤で「ネットワークの場所上」を選択し、「選択」をクリックします。
- 「ネットワークの場所」欄の「参照」をクリックして、しばらく待つとネットワークの保存場所が表示されます。
ネットワーク資格情報の「ユーザー名」と「パスワード」を入力し、「OK」をクリックします。 - ドライブの選択画面から、バックアップ対象のドライブにチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
既定のドライブはグレーアウトして選択はできません。 - バックアップ設定の確認画面から、バックアップに必要な容量を確認し、「バックアップの開始」をクリックします。
ここでは185GBを必要としています。
容量が足りない場合は「バックアップに失敗しました」のメッセージが表示されます。 - 以降の操作は上述⑧と同じです。
4-2-2 Windows 10の場合
- 外付けドライブ(HDDやSSD)をパソコンに接続しておきます。(ファイルシステムはNTFSであること。)
- 「スタート」ボタン右の検索をクリック、検索ボックスに「con」と入力し、検索結果から「コントロールパネル」を選択します。
「スタート」➡アプリ一覧から「Windows システムツール」➡「コントロールパネル」と進んでもOKです。 - 表示方法が「カテゴリー」であることを確認します。
- 「システムとセキュリティ」項の「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。
- 左ペインの「システムイメージの作成」をクリックすると、バックアップ デバイスの検索が始まります。
- 「バックアップをどこに保存しますか?」と聞いてくるので、システムイメージの保存先(ハードディスクなど)を選択します。
- ドライブの選択画面が表示されたら、バックアップするドライブにチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
- 画面下の「バックアップの開始」をクリックします。
- バックアップ終了前に「システム修復ディスクを作成しますか?」の画面が表示されたら、「はい」または「いいえ」のどちらかを選択します。
- 「バックアップは正常に終了しました。」の表示を確認して、「閉じる」ボタンをクリックします。
- 「バックアップに失敗しました。」と表示される場合は、選択したドライブを変更してやり直します。
以上で「Windowsで トラブルに備えてデータを自動バックアップする」に関する解説を終わります。
バックアップした「ファイル履歴」と「システムイメージ」の復元方法については、別の記事にてご紹介いたします。